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Channel: アロハストリート・インタビュー
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アリッサ出演のNHK地球イチバンが10月放映

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 アロハストリートの表紙モデルとしても活躍してくれている、モデル&タレント&サーファーのアリッサ・ウーテン。彼女が、南太平洋・中央カロリン諸島で「旅人」として約1カ月間のタフなロケを行ったドキュメント番組、地球イチバン 第4シーズン 第1回『地球最後の航海民族 ー中央カロリン諸島ー』が10月に日本で放映されます。

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(All Photo by Saito Yuki / NHK)

■地球イチバン 第4シーズン 第1回■
『地球最後の航海民族 -中央カロリン諸島―』


◎放送予定日:10月9日(木)22:00〜22:48 NHK総合
◎再放送予定:10月16日(木)2:10〜02:58 NHK総合(水曜深夜)

 日本から南に3,000キロ、南太平洋・中央カロリン諸島。楽園を絵に描いたようなコバルトブルーの海に、地球上、他では完全に途絶えたと言われる、究極の航海術が息づいている。島の航海士たちは、エンジンも羅針盤もない木造の帆走カヌーをたくみに操り、目標物のない大海原でも、波や風を頼りに、進行方向を見極める。
 中央カロリン諸島、ポンナップ島で最も高い航海技術をもつ男のひとり、ジェシー・カイウス(44歳)は、サンゴの海で、仲間たちと魚を獲ったり、子供たちに舟の技術を教えたりして暮らしていた。ところが、島に突如、暗雲がたちこめる。隣の島が、台風で被災し、食糧難に陥っているというのだ。ジェシーに告げられたミッションは、男たちを率い、アジの干物を、送り届けること。だが、不運にも、出航当日は嵐。ジェシーはそれでも出航を決断するが、カヌー上で次々予期せぬことが起こる。果たしてジェシーたちは、無事100km を超える航海を成功させることができるのか。
 困難極まる壮絶な撮影に、旅人として名乗りを上げたのが、ハワイのプロサーファー、アリッサ・ウーテン(23歳)。自他共に認める"海の女"が、究極のウォーターワールドで過ごし、のちに「人生で最もハードだったわ」と語る1ヶ月間の滞在は、いかなるものだったのか。海と人間の物語。 



 ーーー電気も水道もない小さな島ポンナップでの1カ月に渡るロケ...。その時の様子について、アリッサにインタビューさせてもらいました!美しいポンナップ島の写真(All Photo by Saito Yuki / NHK)とともに、アリッサの声をどうぞ。

013.jpg002.jpg 「とにかくたいへんな撮影でした!ポンナップ島には人工的なものがないの。電気も水道もないから、もちろんお風呂とかも入れない。シャワー代わりに雨水を貯めたりした水を頭からかぶったり、それを沸騰させて飲水にしたり。でも基本は、水分はココナッツウォーターだけ。喉が渇いたな...と思ったら、近くのヤシの木にするするって登ってヤシの実をとり、それを割って中のジュースを飲むんです。食べ物も、タロ芋と海でとれる魚が中心で、野菜があんまりないの。辛かったですね...」とアリッサ。

011.jpg003.jpg 「でも、この島はとにかく素敵だった。島には全員入れても300人以下の人しか住んでいなくて、全員が助けあって生きているんです。お腹が空いている子どもがいれば、それが自分の子でも隣りの子でも、別け隔てなく食事を分けあって、みんなが大きな家族みたいな感じ。タロ畑もココナッツの木も「ここは誰の所有だから他の人は入れない」っていう感覚がないんですよね。すべてが、島のみんなのもの。海に魚をとりにいくのも同じで、島の男性が全員で漁をするんです。100人以上の男性が一斉に漁に出て、一度に8,000匹くらいの魚をとってくる。で、それを島のみんなで分けて食べるんですよ。もちろん、女性や子どもたちの分もちゃんと分けて。今のハワイや日本では、考えられないでしょう?」

008.jpg 海も信じられないくらいきれいで、時間があればずっと泳いでいたと笑います。ただ、波の状況でここではサーフィンができないので、シュノーケルや素潜りを楽しんだようです。

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 そしてさらに、「初めてこういう体験をさせてもらったんだけど、自分の故郷であるハワイやポリネシア全体のことを、いーっぱい考えました。これまでと考え方が変わった部分もたくさんあります。普段の自分がどんなに恵まれて生活しているか、でも逆に、便利じゃないオールドスタイルだからこそ守っていける素晴らしい文化もいろいろとあるんだなとか。それからね、ポンナップには日本語の歌を知っているおばあちゃんがいたんです。ずっと前から、この島と日本はつながってたんですね。お母さんの故郷であり、私の第二のふるさとでもある日本の歴史も、もっと学びたいと思いました」とも。テレビもWi-Fiもないポンナップでは、自分と向き合って深く考える時間も多かったんでしょうね。

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(All Photo by Saito Yuki / NHK)


 エンジンもない帆走カヌーで羅針盤や磁石を使用せず、星や風、波などを頼りに何百キロも航海をするという、古来から伝わる驚異的な伝統航海術が今も残るポンナップ。「その航海技術を知るジェシーとの航海で、古代の人々がポリネシアの島をどうやって発見し、どうやって移動しながら命をつないできたか...ということも考えたりして、すごく意味深かったです。島の人に、どうしてエンジンのある船を使わないの?って聞いたら『自分たちはこれまでもずっとこの方法で生きてきたし、これからも同じ方法で生きていくんだよ。それだけだ』って言われたのが印象的でした」。

 23歳のアリッサは、この体験を通して多くのことを考え、ひとまわり大きなすてきな女性になったように感じました。華奢でかわいらしいイメージの彼女ですが、自然の中で島の人々とふれあいながら生活するその姿は、たくましく美しく強く見えました。そんな彼女の素顔が見られるNHKの番組、10月のオンエアが楽しみですね!

◎アリッサ・ウーテン - Alyssa Wooten -

A-pic.jpgハワイオアフ島出身 1991年生まれ。「ハワイに恋して」や「にじいろジーン」などTVタレントやモデルをこなしながら、本当は根っからのサーファー。きゃしゃなルックスからは想像できないメンズ顔負けのリップやカービングもスコアしている。日本語を話せる彼女は、自身のジュエリーブランド Reverie Jewelry のデザイナーもこなしハワイと海を感じられるアイテムにファンが急増中。ハワイ、日本、そして世界各地で、彼女の今後のマルチな活躍にだれもが希望を感じる。

映画「さいはてにて」注目の監督に聞く!

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 アロハ! メグミです。
 現在、開催中のハワイ国際映画祭(Hawaii International Film Festival/HIFF)。日本からの招待作品も多数上映されていますが、その中でも注目作品のひとつとして話題となっているのが、永作博美さんと佐々木希さんが主演する「さいはてにて〜やさしい香りと待ちながら」。11月3日(月)に行われたプレミア上映会では、監督の姜秀瓊(チアン・ショウチョン)さんによる舞台挨拶もありました。その様子をお伝えします。

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 「さいはてにて〜やさしい香りと待ちながら」は、能登半島の最果ての地・石川県珠洲市の海辺を舞台に描かれる物語。海辺に打ち捨てられたボート小屋を改装して珈琲店を営む岬(永作博美さん)と、向かいの民宿に住む訳ありシングルマザーの絵里子(佐々木希さん)との交流を軸に、親子のつながりや友情のかたち、人生について、また生きることについて、美しい情景とともに静かに描かれていきます。HIFFでは、11月8日(土)16:45〜にも再度上映される予定です。

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 映画上映の前後、姜秀瓊(チアン・ショウチョン)監督による挨拶が行われました。チアン監督は、台湾で活躍する注目の人物。女優としての活動を経て、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)や楊德昌(エドワード・ヤン)といった台湾の巨匠に師事する若手監督として、台湾だけでなく世界中の期待を集めています。日本を舞台に、日本の俳優やスタッフとともに映画製作をするのは今回が初めて。「初めての日本映画で、それは私にとってチャレンジでもありました。言葉の壁はもちろんありますが、一対一のコミュニケーションにおいては、必ずしも言葉が全てではありません。また、他言語を完璧に通訳することも不可能です。俳優ひとりひとりを信じ、信頼関係を築き、その上でのコミュニケーションを心がけました。出演俳優はみなさん、すばらしいパフォーマンスをしてくれました」。

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 上映終了後、監督に直接お話を伺うことができました! 映画製作をする上で、台湾と日本の違いは何か感じましたか?「台湾はあまり事前にかっちりと決めず、フレキシブルに動くことが多いのですが、日本ではプリプロダクションからしっかりと準備していくので、そこが新鮮でしたね。どの国でもどの場所でも、違いがあり、それぞれの良さがあると思います」。

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 撮影では、日本にどれぐらい滞在したのでしょうか?「約1カ月です。東京には1日だけ滞在し、あとはずっと映画の舞台となった石川県珠洲市に。人が少なく、本当に静かな場所でした」。その静寂さが、劇中では、美しい能登半島の海の情景や登場人物の心理描写と相まって、独特の世界観を創りだしています。朝の清らかな光に満ちた珈琲店と、その窓から見える海が本当に美しく、それだけで涙が出てくるほどでした。「それはうれしいです! 毎日こんなに美しい海を見ているハワイの人にそう思ってもらえるとは、感激ですね」。

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 日本では、2015年2月に全国ロードショーとなりますが、緊張していますか?「そうですね、緊張よりも期待や興奮のほうが大きいです。日本のみなさんに、この作品を見ていただくのが、本当に楽しみで待ちきれないです。ぜひ、劇場に足を運んでいただけたらうれしいです」。どうもありがとうございました!

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 映画「さいはてにて〜やさしい香りと待ちながら」は2015年2月28日(土)より東映にて全国ロードショー。ハワイでは、HIFFにて11月7日(金)16:45〜にも上映がありますよ(上映情報、チケット購入はこちら>>)。みなさんもぜひ、劇場に足を運んでみてくださいね!

「さいはてにて〜やさしい香りと待ちながら」公式サイトはこちら>>

ハワイから始まる!iichikoの新しい挑戦

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 アロハ! メグミです。
 日本は大分県宇佐市で 生まれ、いまや国民的ブランドと言っても過言ではない焼酎「いいちこ」。ここハワイでは「iichiko」として、レストランのアルコールメニューやリカーショップでも頻繁に見かけることができ、 ローカルにも広く愛されています。そんなiichikoから、今年8月、ハワイ限定のお酒が登場! 現在はホノルルの厳選されたレストランやバーで味わうことができるという、新登場のiichikoについて、「iichiko USA」の宮崎さんにお聞きしました!

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 こちらがiichiko USAの宮崎さん。じつは、10月30日にアカクラハウスで行ったアロハストリート・イン・ワイキキのパーティ・イベントにて、iichikoの特設バーを出展してくださいました。その時に大人気だった、ハワイ限定ライン3種が、こちら!


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 右から、「iichiko Bar FRUITS UME」「iichiko Bar FRUITS YUZU」「iichiko BLU」。「iichiko Bar FRUITS」の2種は、焼酎にフルーツフレーバーを組み合わせた、スイートな果実リキュールのシリーズ。そして「iichiko BLU」は、レストランやバーで飲まれることを想定して創り出された、まったく新しいコンセプトを持つ焼酎なのだとか。

 これらハワイ限定の新しいiichikoが生まれた背景には、アメリカ本土やヨーロッパを含む海外と比べ、ハワイでは突出して焼酎が飲まれているという、ハワイならではの食文化が大きく影響していると言います。

「いいちこの全生産量のうち、海外に輸出されるのは約1%ほど。そのうちの多くが、ハワイで消費されています。じつは、アメリカをはじめ海外では、日本酒が"SAKE"として一般化しているのに比べ、焼酎はまだまだ浸透していないのが現状。ところが、ハワイだけは、日本食レストランではもちろん、多くのバーや飲食店、またリカーショップでも、"SHOCHU"として目にすることができ、広く浸透しています。なかでもiichikoは、ローカルの人にとっても愛されているんですよ。たとえば......"iichikoタワー"って、聞いたことがありますか?」


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「これがiichikoタワーです。飲み終わったボトルキャップを、こうして重ねてタワーにしているんですね。ハワイの日本食レストランや寿司バーなどでは、iichikoタワーを見つけることができますが、これは日本にはなく、ハワイだけの現象なんです」

 iichikoが地元に根付き、愛されているハワイで、限定ラインを発売することになったのは、自然な流れを感じさせます。と同時に、この限定ラインの発売は、焼酎の新たな可能性を広げる「挑戦」でもあると、宮崎さんは語ります。

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「焼酎の飲み方は、お湯割りやロックが一般的で、これは日本でもハワイでも同じ。逆に、それ以外の飲み方がされないお酒だとも言えます。ところが、焼酎は蒸留酒なので、スピリッツでもあるんですね。世界の四大スピリッツであるジン、ウォッカ、ラム、テキーラは、それ単体で飲まれるだけでなく、ほかの素材とミックスしてカクテルとしても楽しまれています。四大スピリッツと肩を並べるのに十分なクオリティを誇るiichikoも、バーテンダーの手によって、カクテルスピリットとして無限大の魅力を感じてほしい...そういった思いから、iichiko Bar FRUITSのYUZUとUME、そしてBLUが誕生しました」


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 今回発売されたYUZUとUMEは、ストレート・ロックがいちばん美味しい飲み方。もちろんソーダで割ったり、カクテルに使っても美味しいフルーツリキュール。私も試飲させていただきましたが、UMEは梅酒を思わせるフレーバーで、飲みやすい口あたり。YUZUは柑橘系のフレッシュな香りが爽やかで、どちらも女性に喜ばれそうなイメージです。

「YUZUとUMEは、現在はレストランやバーで味わっていただけますが、2015年1月より、ハワイのABCストアやスーパーマーケット、リカーショップでの販売がスタートします。ホテルのお部屋でリラックスしながら楽しんだり、ハワイ先行発売で日本未発売ですからおみやげにもおすすめですよ」


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 一方、iichiko BLUは、ショップでの一般販売はせず、バーやレストランなどの外食シーンに限定したお酒。

「BLUは、ハワイのバーテンダーたちに愛され、使ってもらえるようにと生み出されました。このままで飲んで美味しいのはもちろん、カクテルに使用した時にも最高の持ち味を発揮します。BLUを使ったカクテルレシピをバーテンダーと共同開発し、今後はカクテルとして味わえるお店も増えていく予定です。また、バーに似合うデザインにもこだわり、ハワイの海をイメージしたブルーのボトルと、水中から海面を見上げたような美しいラベルに仕上がりました」

 日本では「下町のナポレオン」と呼ばれ、長きにわたり親しまれてきたいいちこ。ハワイでローカルから愛されてきたiichiko。今回、ハワイで始まったiichikoの新しい挑戦が、海を渡り、世界のバーで飲まれる日が来るかもしれません。夢が広がりますね!


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 さて、11月いっぱい、YUZUとUME、そしてBLUの発売を記念して、ホノルルのレストランで特別イベントが行われています。11月7日(金)のファーストフライデーには、ダウンタウンの「HASRビストロ」にて試飲イベントが行われました。私もお邪魔してきましたが、ファーストフライデーのおしゃれなロコたちがたくさんブースを訪れ、とても賑わっていましたよ。

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 今後は、11月15日(土)の夜にギンザ・ナイトクラブの「イエロー・カンパイ・ナイトパーティ」にてYUZUが登場。また11月17日(月)〜30日(日)、アラモアナ地区のMWレストランとダウンタウンのザ・ピッグ・アンド・ザ・レディにて、iichikoを使った特別メニューが登場します。ぜひチェックしてみてくださいね!

旅行者も必見! ハワイの銀行活用術

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 アロハ! ヒロヨです。
 お金を管理・運用するのに欠かせない銀行。口座を持っているだけの人もいれば、融資を受けたり、投資したりと何かしら銀行との取り引きしている人も多いはず。最近ハワイでは、口座を開設したり、お金の管理を任せたり上手に銀行とお付き合いしている日本人旅行者が急増中。言葉の問題は?一体どんなメリットがあるの?信頼できる銀行を選ぶには?などを探るべく、セントラル・パシフィック・バンクのインターナショナルバンキング部門マネージャーの瀬田譲二さんとワイキキ支店マネージャー、アルマリオ・ミユキさんにいろいろと聞いてきましたよ。

Exterior.jpg ──セントラル・パシフィック・バンクはハワイで設立された日系銀行とのことですが、設立にあたっての経緯を教えて頂けますか?

瀬田さん(以下、瀬田): セントラル・パシフィック・バンクは今年で60周年。1950年代、ハワイの人口の約40%を日系人が占めていたにも関わらず、日系銀行はどこにもありませんでした。日系人で作った銀行で日系社会をサポートとしようという目的でのもと、銀行業務のスペシャリストを日本から呼び寄せて、1954年に設立しました。いわば日本の血が流れているような銀行ですね。

interior.jpg ──なるほど。日本の銀行の流れを深く汲んだ銀行ということですね。しかも今年で60周年! 日系社会にもハワイにも根ざした銀行に成長し多くの支店がありますが、2014年の9月末にワイキキ支店が移転オープンしましたね。

瀬田:はい。2004年に当行とシティバンクが統合。ワイキキ内にあったシティバンクのハイアット店と、もともとあったワイキキ・ショッピング・プラザ店の2店舗で営業していました。それをひとつにまとめ、ワイキキ中心のシーサイドストリート沿い、「ロス・ドレス・フォー・レス」と同じビルのクヒオストリート側に新店舗を構えたんです。

madoguchi.jpg ミユキさん(以下ミユキ): ワイキキ支店には現在5名の日本語対応スタッフがいます。窓口で日本語のスタッフをと言って頂ければ、すぐに対応させていただきます。また、支店とは別に、25万ドル以上の預金またはローン、金融商品をご利用の方を対象にしたインターナショナルバンキング部門をワイキキ・ショッピング・プラザ内に設置しています。そこでは、お客様ひとりひとりに担当者をつけて、プライベートバンキング的にお客様のケアを目指しています。もちろんインターナショナルバンキング部門でも日本語で対応いたします。まるで日本の銀行のような感覚でご利用できるので、旅行者や長期滞在者のご利用も多いですよ。

編集部:なるほど。日本語でやり取りができるって頼りになりますね。でも旅行者が海外で口座を開設するというのは、あまり一般的でないように思うのですが...。

seta2.jpg 瀬田:口座があると、毎回ハワイに訪れる度に、円からドルまた、余ったドルをそのまま口座入金できるので、円へ再び換金する必要がありません。セントラル・パシフィック・バンクのATMからは24時間手数料なしでキャッシュの引き出しも可能です。ハワイで長期滞在される方やリピーターの方にとっても手軽で便利なサービスですので、口座を作られる旅行者の方も増えてますよ。

──確かにその都度必要な分だけATMから引き出せるのってうれしいですよね。では口座開設には何が必要でしょうか?日本だと印鑑が必要だったりしますが...。

miyuki.jpg ミユキ:パスポートを窓口に持参くださるだけで大丈夫です。ハワイでは通常、口座に一定の残高がない場合、口座を維持するための費用が必要な場合もありますが、口座維持費がかからないプランもありますので、お客様のライフスタイルやニーズに合わせてベストなプランを日本語スタッフが一緒に選ばせていただきます。インターネットバンキングもすべて日本語で対応しているので、残高のチェックやさまざまな手続きもネット環境さえあれば世界のどこにいても操作できます。このほか窓口で送金サービスなどももちろん承っていますよ。

編集部:へ~。パスポートだけでできるんですね。意外です。ほかにも旅行者や長期滞在者といった日本在住の方におすすめのサービスってありますか?

ミユキ:ハワイで不動産を購入されたお客様の場合、面倒な光熱費や固定資産税などの支払い代行サービスも行っています。お客様には書類にサイン頂き、預金を残していただければ、あとはこちらですべて手続きをさせていただきます。お金の管理だけでなく、弁護士や会計士の紹介までいろいろな相談もお手伝いしていますよ(笑)。

Seta.jpg 瀬田:あとは住宅ローンですね。こちらで不動産を購入したいという方も多く、外国人のための住宅ローンのサービスを2年くらい前から始めました。お客様には、日本からの確定申告書を用意してもらって、住宅ローンのスペシャリストとともにどのプランが適しているか一緒に考え、サポートさせて頂きます。以前はローンが組めず、また組み方が分からずキャッシュで購入する方も多かったですが、融資を受けられれば負担が減りますよね。

teller.jpg ──異国で住宅ローンを組むって結構不安だと思いますが、ここでも日本語でサービスが受けられるって本当に心強いです! しかも一番ベストな方法を一緒にしっかり考えてくれるので安心ですね。

瀬田:お客様が当行を利用して、「セントラル・パシフィック・バンクの人って感じがいい」、「口座を開設して良かった」と感じて頂けるよう努力しています。常にお客様の立場に立って、同じ目線で取り引きさせて頂くということを心がけているんです。当たり前のことですが、銀行というのは大切なお金を預かるところですから、誠実で安心してもらえる存在でなくてはならない。あの銀行にはあの人がいるからお金を預けよう、あそこにいけば何でも相談できると思って頂けるようなブランド力が、ほかの銀行とは違うところだと思っています。

Miyuki_branch.jpg ミユキ:お客様だけでなく、社内でもカスタマーサービス向上のため、どんなふうにすれば気持ち良く仕事ができるかを考えながら、社員同士で日々コミュニケーションに気を使っているんですよ。

──お客様から見えない場所でもそうやって日々努力されているのですね。常にお客様視点でじっくり話を聞き、真剣に相談にのってくれるという高いカスタマーサービスが行える「人」というブランド力は本当に魅力的です。ハワイ在住の日本人にとっても心強い存在の銀行だと思いました。今日はありがとうございました!

two.jpg  瀬田さんもミユキさんも誇りを持ってハッピーに仕事をされている雰囲気がひしひしと伝わり、すてきな職場だなと感心。銀行というと機械的で効率化され人のぬくもりのようなものがあまり感じられないイメージだったのですが、おふたりの話を聞いているとほんわかした人情味が伝わってきて「この人なら大丈夫」という気持ちが自然と芽生えてきました。扱っている商品だけでなく、心の底から顧客の役に立ちたいという精神が感じられるかどうかを銀行選びの条件に加えてみてはいかがですか?

数多くの飲食店を手掛ける社長の次なる一手

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 アロハ、ヒロヨです。ココマリーナに12月14日(日)にオープンする注目のレストラン「五穀」。このレストランを皮切りに、ハワイ内に20店舗のレストランをオープンする予定というピアサーティグループの高橋章之社長がハワイに滞在されていたので、ベールに包まれた店内を探りつつ、今後の展開などインタビューしてきました。

Takahashi4.jpg ──初めまして! まもなくレストラン「五穀」がオープンしますね。まずは、日本や海外で200店舗以上のレストラン展開をしているピアサーティグループが、ハワイにお店を出そうと決めた理由から教えていただけますか。

高橋社長(以下、高橋):もともと海が大好きで、プライベートでハワイを訪れるたびに現地の人のほがらかな人柄や親しみやすい笑顔にひかれ、ここにレストランを作りたいなと思うようになりました。海外進出の視察にシンガポールやオーストラリアへも行きましたが、ハワイほどぐっとくるものが感じられませんでしたね。

──ハワイ進出一号店をワイキキではなく、オアフ島東部のハワイカイにあるココマリーナにした理由は。

高橋:ハワイで飲食店を始めるにあたって、ターゲットを地元の方にするのか、旅行者の方にするのか、またそのミックスにするのか、いろいろなやり方があると思うのですが、まずは地元の方に愛されるお店を作りたいと考えました。ココマリーナ周辺は地元の方が多く住むエリアで、ローカルのお客様とのビジネスの勉強をするのにぴったりの場所だと思い、この場所に決めたんです。

──日本では、様々なジャンルとブランドの飲食店を経営されていますが、あえて「五穀」を選んだ理由は?

Exterior.jpg 高橋:ハワイカイは日本人が多く在住するにも関わらず、和食店が少ない。ですから、和食のニーズが高いと思い「五穀」を選びました。

──中国にも「五穀」があるそうですが、ハワイ店も同じメニューなのでしょうか。

高橋:食材が違うので、メニューは変えるつもりです。もちろん、ローカルのお客様に喜ばれるメニュー作りをしたいので、ここでしか味わえないメニューも登場しますが、基本はしっかりと日本食。日本人が食べても満足できる味に落ち着きました。ランチメニューも今練っているところですよ。いつも店を作るにあたって、ターゲットを決めたあとは、スタッフとメニューを決める作業を行っていますね。

──メニュー作りには社長も参加されるのですか。

高橋:はい。ターゲット層の方のために、どういうメニューがいいかをいつも一緒に考えます。現地のスタッフとコミュニケーションをとりながら、ローカルの味のバランスをどこまで取り入れるかいつも悩みますね。

──なるほど。お店の核となる味作りは社長も自ら参加されるのですね。ところで、店内のインテリアもとても素敵ですね。ハワイでこんな洗練されたデザインのレストランはとてもめずらしいです(笑)。

Takahashi1.jpg 高橋:いやー、大変でしたね(笑)。日本とハワイの建築技術の違いに悩まされました。インテリアもいつも頼んでいる中国の工場に頼んで、椅子を作って持って来たり、日本からもディスプレイなどを持ち込んできました。店内にはマリーナの景色が見える寿司バーや天ぷらバーを設置し、カップルやご家族連れのグループなど幅広い層にご利用頂けるように設計しています。日本だったら2週間に1店舗くらいのペースで新店舗を開店しているのですが、こちらではそういうわけにいきませんね(笑)。

──2週間に1店舗...。すごいペースでレストランをオープンされているのですね。

高橋:これからは、もっとペースをあげて10日間に1店舗のペースになると思いますよ。

──今後、5年間を目標にオアフ島内で20店舗ほどのレストランを展開される計画とのことですが、具体的に次の店舗の候補地など決まっていますか?

Takahashi2.jpg 高橋:現在アラモアナの工事中エリアに2店舗をオープンする予定です。予定では、来年の10月オープンですが、あくまで工事がうまくいけばですね(笑)。その後はコオリナ、カポレイ、パールハーバーのあたりを考えています。

──ハワイで目標の店舗数を達成された後は、アメリカ本土への進出も考えていらっしゃいますか。

高橋:そうですね。ニューヨークに出店したいですね。でもまずは、ハワイでじっくり勉強していきたいです。海外での事業の成功の秘訣は、いかにいいスタッフに恵まれるかだと思っています。ハワイは幸い、日本語が通じる方やレストラン経験者も多いので、ここをスタートにビジネスを広げていきたいですね。

──日本、海外、さまざまな店舗を手がけられてご多忙だとは思いますが、休日があればどのように過ごされているのでしょうか。

高橋:休みの日は釣りかゴルフ。自分の船を持っているので、夜21時頃自宅に帰宅したらそのまま港まで行って出港し、朝釣りを楽しんだりしていますよ。ハワイでは、日本の釣りがどこまで通じるかぜひ試してみたいですね。

──すごい体力ですね。エネルギーに満ちあふれた社長が舵を取るレストラン展開にこれからも注目しています。ありがとうございました!

Takahashi3.jpg  「海外でのビジネスの成功の秘訣は、どれだけ良い人材に恵まれるか。しかし、それはもう運です」と語る高橋社長。各店舗へ足を運び、お店の土台となる部分をしっかり築き上げ、そしてまた新しいお店をオープンさせるエネルギーに満ちあふれながら、多数の従業員を穏やかに見守るおおらかな雰囲気は、まさにたくさんの船が停泊する母港のよう。「五穀」を皮切りに、これからのハワイでの展開にますます期待が高まります。日本人もロコも楽しめる、絶品和食をぜひ味わってくださいね。

人気コスメの開発者ミュラドが語る美の秘訣

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 アロハ! ヨリエです。
 世界45カ国以上で販売される人気ドクターズコスメ・ブランドの「ドクター・ミュラド」。その開発者で、著名な皮膚科医でもあるドクター・ミュラドにお話をお聞きしました! 向かった先は、彼がハワイで唯一、エリートサロンとして認めるフェイシャル・エステティックサロンの「ハート・スキンケア&コスメティックス」。

 ワイキキ中心とアラモアナセンターからほど近いセンチュリー・センターにあるハート・スキンケア&コスメティックスは、ドクター・ミュラドのプロダクトを惜しげもなく使用するカスタム・フェイシャルが人気のサロンです。私も肌荒れで悩んでいた数年前にここのサロンを訪れて以来、見違えるほど肌トラブルがなくなりました。

カスタム・フェイシャルの体験レポートはこちら

400IMG_9910.jpg──はじめまして! 私もドクター・ミュラドのプロダクトを愛用するファンのひとりです。ブランドのコンセプトを教えてください。

ドクター・ミュラド(以下ミュラド):私たちのフィロソフィーは、「インクルーシブ・ヘルス」といって、単なるスキンケアだけでなく、健康的なライフスタイルに導くヘルスケアを目指しています。 極度に日に焼けると、体はどうなりますか? 肌が乾燥するのはもちろん、全身が火照り、疲れを感じたり、頭が痛くなったりすることがありますよね。肌は全身とつながっているんです。

──たしかに、ビーチに行った日の夜はとくに疲れを感じます。

ミュラド:そう、だから若々しく強い肌を作るためには、水分の豊富な食べ物をたくさん摂取することも大事。水分は、肌のエイジングと深く関係しています。人の体は約75%の水分量で生まれ、最後は0%。10年前の肌といまの肌を比べると、乾燥しているように感じませんか?

──そうですね...では、水分を豊富に含む食べ物とは、具体的にどんなものですか?

ミュラド:新鮮な魚や野菜、果物など、ハワイには素晴らしい地元の食べ物がたくさんありますよね。なかでもパパイヤやスイカがとくにオススメです。これらは「食べる日焼け止め」なんですよ。食べるのと、食べないのとでは、日焼け止めクリームに配合されるSPF(サン・プロテクション・ファクター)の効果が約20%も違う。ピンクグレープフルーツやブロッコリーもいいですね。日差しの強いハワイでは、日焼け止めクリームを塗るだけでなく、ぜひSPFのパワーをアップさせる果物や野菜を積極的に食べ、シミやそばかすを防ぎましょう。

──SPFが20%増ですか!? 食べ物にはそんな効果もあるんですね。ほかになにかアドバイスはありますか?

300IMG_9935.jpgミュラド:そうですね、数ある基礎化粧品のなかでも「ナイト・クリーム」は、みんなが思っているより大きな役割があります。ローションや保湿クリームは多くの人が使っていますが、「ナイト・クリーム」を使う人はそれほど多くありませんよね。でも、夜、肌に塗るナイト・クリームには、濃厚な美容成分がたっぷり含まれていて、肌細胞の修復が行われる睡眠時間にじっくりと浸透します。面倒なら、毎日の基礎化粧品と混ぜてたまに使ってもいいです。私はピーリングクリームの上から重ねて塗り、そのまま寝たりもしますよ。

400IMG_9901.jpg──それはぜひ実践したいですね。ハート・スキンケア&コスメティックスには、ドクター・ミュラドのスキンケアプロダクトが数えきれないほどそろいます。化粧水やビタミン美容液など、それぞれいろいろなシリーズから商品を選び、自分用の基礎化粧品ラインを楽しめるのがうれしいです。全然押し売り感がないのに、つい買ってしまうのは、親身に相談にのってくれるオーナー・セラピストのトモコさんがいるから。そして、使ってみて後悔したことはないですね。

ミュラド:ええ、トモコの施術も特別だしね。サロンの名前「ハート・スキンケア&コスメティックス」と、そこに込められた彼女の思いは、私のフィロソフィーと共通するものがあります。その人が置かれる環境や生活習慣、ライフスタイルそのものと向き合って、それぞれに合う健康的な肌作りを目指している。コスメや食べ物など肉体的に気をつけることはもちろん大切ですが、サロンにきて、肌の専門家にじっくり話ができるだけも、心が軽くなり、美肌効果もあるはず。心(ハート)という精神的な要素も、肌には深く関わっていますから。

──なるほど。「精神的な要素」についてもっと詳しく教えてください。

ミュラド:たとえば、アンチエイジングに必要な体の水分量は、ストレスがあるだけでも減ってしまうんですよ。肌が荒れると、コスメプロダクトやサプリメントでどうにか解決しようとするかと思いますが、同時にストレスの原因は何かって、考えてみてください。会社でやるべき仕事が終わらず、自宅に持ち帰ったりしていませんか? フェイスブックや携帯電話で友だちと会話しても、実際に顔を合わせる時間は少ないのでは? どこにいても、返信すべきメールを気にしたり。現代社会が抱えるストレスを変えることはできないけれど、考えるべきは、自分がそれにどう対応するかということですね。

──うーん、それら全部思い当たる人も多いのではないでしょうか...。でも、リラックスする時間を作ることは、心持ち次第で実践できますよね。

ミュラド:そう、それがチャレンジングなことでもあるけれど、体に良い効果をもたらすことは確か。何より大事なのは、ハッピーであることです。100歳まで元気な長寿の方に若さの秘訣を聞くと、いつも幸せを感じること、という答えがありました。タバコや酒を控えることも必要かもしれないけれど、いつも笑っていることで若々しく健康的でいられるのだと。私もそう思います。

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左/ドクター・ミュラド
右/ハート・スキンケア&コスメティックスのオーナー・エステティシャン、トモコさん


──笑うことが実際に肌に潤いを与えるとは知りませんでした!
最後に、アロハストリートの読者へメッセージをお願いします。

ミュラド:何歳になっても、等身大の自分に心を躍らせてください。美しい肌を手に入れるための一番の方法は、笑うことです。これは年齢や人種を問わず、誰でもすぐに使える方法。もちろん、ドクター・ミュラドの商品も使ってもらえたらうれしいけどね(笑)。

──ありがとうございました!

★ハート・スキンケア&コスメティックスでは、JALホノルルマラソンに向け、$49相当のプレゼントがもらえる 特別キャンペーンを実施中! 詳細はこちら

日本の美味しさを世界へ!次はハワイでパン

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 アラモアナセンターの白木屋内にあるベーカリー、「ブルク」。北海道・札幌で1977年に誕生したブルクは、パン職人の竹村克英氏によるドイツパンが長年愛され続け、2013年7月、海外初となる店舗をハワイにオープンしました。日本から上陸したこだわりの味はロコにも親しまれ、お店はいつも常連客で賑わっています。そんなブルクのハワイ店代表を務めるミホ・チェさんにお会いし、日本の飲食店を海外で展開するビジネスについて、お話をお聞きしました。

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Brug Hawaii 代表取締役社長
ミホ・チェ

日本の外資系航空会社で10年ほどレベニューマネージメント&インベントリーコントロールを務める。その後、早稲田大学にて「グローバル・サービス・ビジネス」を専攻しMBAを取得。大手日系シンクタンクでの食品系専門コンサルタントを経て中国・上海へ移住。日本発祥のなめらかプリンを主力商品とした日系スイーツブランド「Mvuke Tokyo(ブーケ・トウキョウ)」の立上げ事業に携わり、約2年間で42店舗まで店舗数を拡大した。2014年3月、ブルクハワイ代表取締役社長に就任。












──こんにちは! まずは、ミホさんがブルクのハワイ店代表就任に至った経緯を教えてください。

ミホ・チェ(以下ミホ):ハワイに引っ越す前は中国・上海で3年ほどスイーツ事業に携わっていたのですが、妊娠を機に当時空気汚染の問題が深刻だった中国からの撤退を決意しました。ちょうど同時期に、ブルクの会長で20年来の友人である丹山東吉さんが、ハワイ店舗の管理のためにハワイと日本を行ったり来たりする生活をしていたので、私にその役割を任せてくれないかと自分から申し出たんです。

400IMG_4281_edited-1.jpg──みなさん国際的スケールで繋がっていますね! 上海で行っていた「スイーツ事業」とは、どんな仕事ですか?

ミホ:日本発祥のなめらかプリンを中国でブランド化して製造販売する仕事でした。オーナー(投資家)のひとりの「この事業には絶対女性の経営者が必要」という一声が、私に本事業に一緒に携わらせてくれる機会をくれました。それからパティシエさんの元で勉強を始め、中国の原料を使用しながら日本にほど近いクオリティと味を再現しながら色々なフレーバーの商品を開発していく課題に取り組みました。商品そのものの美味しさと、なめらかプリンというニッチなコンテンツが、結果的に...バカ売れしたんですよ。現地のパートナーにはとても恵まれていましたね。当時25歳だった若手社長を筆頭に、みんなで本当によく働いたし、彼らから学んだ事はとても多かった。私は日本のブランド基準を満たす品質管理や、現地ならではの商品開発など行い、どんどん大きくなる工場をマネージメントしながら、マスプロダクションを確立していくことに取り組んでいました。

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中国・上海で現地スタッフと一緒に


──壮大な話に聞こえますが、短期間で「バカ売れ」まで至るというのは、具体的にどのくらい売れたのでしょうか。

ミホ:そうですね、2011年10月1日に上海で第1店舗をオープンし、私が実務から退いた2013年12月の時点では、中国で42店舗ありました。その頃、中国の平均時給は日本円にすると約200円。そして、ひとつ400円以上の価値があったプリンが、1日約2万個売れたんですよ。時給2時間分の高級プリンがこんなに売れたのは、何よりも味が美味しいというのはもちろんのこと、中国の人たちの生活水準や価値観が急激に向上し変化した時期に我々のコンテンツがうまく刺さったんだと思います。中国にはそれまで、焼いたプリンはあったけれど、蒸すことで舌触りを良くする「なめらかプリン」はなかったんですね。中国の人たちの生活に余裕が出てきたタイミングで、私たちは、「別腹」やギフト、自分へのご褒美といった新しいライフスタイルを売ることに成功したんだと思います。美味しい高級プリンを食べることは、自分たちの生活の豊かさを実感する喜びにも繋がっていたんだと思います。出店をこれほど早くできたのは、建設ラッシュの中国でバブルの波に乗れたからでしょうね。次々に建つ新しいショッピングモール内にどんどん小売店を出店していきました。

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「Mvuke Tokyo」の人気はTV番組でも放送


──なるほど、すごいことですね。海外でお店を営むにあたり、大変なこと、または大事なことは、どんなことですか?

ミホ:大変なことはやはりサプライですね。日本には当たり前のようにあるものがなかなか見つからない。または存在しないんです。たとえば、パン屋と言えばパンを取るトングが絶対必要なのですが、パンを潰さないように取口が広く開くバネのあるトングがハワイでは売ってないんですね。仕方なく、日本から取り寄せながら対応してますが、使い勝手が良いのかよく盗まれてしまって閉口してます。また、その国、地域、テナントとして入っているショッピングモールごとのレギュレーションをきちんと理解することはとても大事なことです。あと、人の管理ですね。日本クオリティの高級な商品をブランディングするには、現地で雇ったスタッフにも清潔感のあるていねいな接客を教えなくてはいけませんよね。でも、たとえば中国では、「せめて2日に1回はシャワーを浴びましょう」と話すところから始めたりすることがありました。昔は水があまりきれいではなかったから、「洗うとよけい汚れる」という固定観念があったり、集合住宅の屋外に設置されたシャワーが冬には寒すぎたり...という背景があるからです。だから、頭ごなしに人をマネージメントするのではなく、細かいところに気を遣う日本文化の美しさを知ってもらうところから始めるというか。私たちがその人たちの暮らす環境を理解した上で、学ぶことの楽しさを教えることがサービスの向上に繋がります。私たちは、現地ではあくまでも外国人。そこには「日本のスタンダードが正しい」という基準はどこにもないわけです。そう思っているのは私たちだけで、世界はそうは言っていない。その国や地域が自分たちのことを受け入れてくれたことへの感謝を忘れず、日本の美味しさや日本文化の美しさ、商品の高いクオリティを伝え、会社として存続し、雇用を生みながら社会へ貢献していくことが大事だと思ってます。

──確かに...。育った環境の異なる人たちと一緒に働くことは、ハワイで暮らす多くの日本人にも共通していますよね。ブルクのハワイ店も、ローカルのスタッフを採用しているのでしょうか?

ミホ:はい、30名弱のスタッフがいますが、ローカルスタッフがほとんど。日本からのスタッフは、私とシェフがひとりですね。

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ブルクハワイ店仕込みの様子


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ブルクハワイ店で一番人気のソーセージロール


──同じブルクでも、北海道とハワイというそれぞれの土地柄で特徴はありますか?

ミホ:そうですね、ブルクのハワイ店でも北海道の味を提供しているのですが、実は使う原料は日本からではなく、なるべくこちらで調達しています。現地にある原料のなかで一番いいものを選び、日本の味を作るんです。基本的な商品はすべて本店のレシピを忠実に守った上で、ハワイならではの商品開発にも挑戦しています。カルアポークやメロンパンを使ったフルーツサンドなんかは、ハワイ店だけの限定商品ですね。今後は、北海道からジャムや十勝の小豆などの原料も多く取り寄せ、新しいパンも増やしていく予定です。

──種類豊富なパンがありますが、なかでもミホさんのオススメを教えてください。また、ブルクの今後の展望をお聞かせいただけますか。

ミホ:私のオススメはブルクライヤーサンドイッチですね。社内コンペをして商品化した個性的な味もあって、どれも美味しいですよ。サンドイッチ用のパンはライ麦を含んだ北海道産100%の小麦粉を使用していて、モチモチとした食感もポイント! 今後の予定としては、このハワイ店をフラッグシップとして海外での店舗数を増やしていきます。先日、シンガポールのフランチャイズ・ショーにブースを出したら、トップの評価だったんですよ。それがきっかけで色々な引き合いをいただいて、シンガポール、台湾、タイ、ラオス、あとはもともと出店が決まっていたマレーシアのコタキナバルにも、2015年初旬に東南アジア初店舗のオープンが決まってます。

──5店舗も! それらの海外店舗がハワイを拠点に発信されていくというのも楽しみですね。最後にアロハストリートの読者へメッセージをお願いします。

ミホ:もし、「ハワイには美味しいパンがない」と思っている人がいるとしたら、ぜひブルクのパンを食べてみてください。北海道で生まれたパンの美味しさをローカルの人たちにも伝え、ハワイでの日常生活において「パンといえばブルク」という存在になれたらうれしいです。旅行者のみなさんも、毎日焼きたてを用意していますので気軽に立ち寄ってくださいね。

──ありがとうございました!

インタビューを終えて

ほわっとやわらかい雰囲気に満ちたバリバリのキャリアウーマンという印象のミホさん。現在5カ月の赤ちゃんを育てるママでもありながらグローバルに働く姿は、同じ女性として憧れずにはいられませんでした。主夫業をこなす旦那さんとは、「私たちはこの形が自然」だそうで、幸せそうなオーラがとても魅力的! ミホさん率いる人気店ブルクの今後がますます楽しみです。










★ブルク一周年記念の様子はこちら

日本とハワイをつなぐウクレレマイスター

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title.jpg 毎年恒例、今年で第7回めを迎える「ウクレレ・ピクニック・イン・ハワイ」。これまではオアフ島カカアコの丘の上で行われてきたこのイベントが今年は初めてハワイ島・マウナ・ラニ・ベイ・ホテルで開催されます。イベントの主宰であり、日本とハワイをウクレレでつなぐ架け橋として活躍するミュージシャン関口和之さんに、お話を聞きました!

編集部:アロハ! 毎年オアフ島・カカアコで行われてきたウクレレ・ピクニック・イン・ハワイ、今年はとうとうハワイ島での開催ですね。

Ukulele.jpg 関口:実は「ウクレレ・ピクニック」というイベントを始める最初のきっかけはハワイ島だったんですよ。1998年に、コハラの北のHawi(ハビ)という街で、スラック・キー・ギターの名手、ジョン・ケアヴェが中心となって「スラック・キー・ギター&ウクレレフェスティバル」というイベントを開催したんです。僕とIWAO 君が、縁あってそこに招待されて、一緒にパフォーマンスをして。心地よい会場でゆったり音楽を楽しんだ、そのハワイ島のイベントをモデルにして、2000 年に日本の逗子マリーナで第一回目のウクレレ・ピクニックを開催したんです。だから、今回ハワイ島でウクレレ・ピクニック・イン・ハワイができるのは、原点に戻れるような感じ。僕たちにとっても意義深いことなんです。

編集部:そうだったんですか! 今回はハワイ島・スペシャルということで、また盛り上がりそうですね。

Hotel.jpg 関口:ナ・ホク・ハノハノ・アワードの常連でもあるマーク・ヤマナカをはじめ、人気のアコースティックギターグループ、コハラなどハワイ島出身のアーティストが多数参加してくれます。もちろんジョン・ケアヴェも登場しますよ。マウナ・ラニ・ベイ・ホテルの美しい芝生をステージに、ゆったり心地いい音楽を一日中楽しんでもらえると思います。どうぞ楽しみにしていてくださいね。

編集部:なんだかわくわくしてきました...! ハワイ島へはよくいらっしゃるんですか?

関口:これまでに10 回以上は訪れています。随分前に訪れた時と変わらない感じの場所が多くて、それがいいなって思うんですよね。日系移民も多いし、なにか懐かしい雰囲気がします。ハワイの歴史や文化に触れる機会も多いし、オアフ島とはまた違ったオールドハワイのやさしい空気が流れてる。もちろん、大迫力の自然もパワーを与えてくれますしね。

Sekihusai.jpg 編集部:たしかに...。ウクレレのやさしくて温かい音色がぴったりの島ですよね。さらにイベント翌日にはオアフ島でチャリティコンサートもあるそうですが?

関口:ええ。ウクレレ・ミュージアム設立の基金を募る「ウクレレ・ミュージアム・ファンドレイジング・コンサート」を今年も2月9日(月)に開催します。今回は、日本でもファンが多いワイプナなどをスペシャルゲストに迎え、温かく楽しいコンサートになりそう。ハワイのアーティストのアロハ・スピリットやロコの方々の協力、そして日本から集まってくれる多くの人々の思いに助けられて、ウクレレやハワイアンカルチャーを広める活動が続けられることに感謝しています。みなさんもぜひ、足を運んでくれたらうれしいですね。ハワイ島&オアフ島でお会いしましょう!

ウクレレ・ピクニック・イン・ハワイ2015ukulelepicnic.jpgハワイ島マウナ・ラニ・ベイ・ホテルを舞台に行われるスペシャル・ウクレレ・イベント。ハワイはもちろん、日本からも多くのミュージシャンやウクレレ愛好家が集う1日。ウクレレの音色をゆったり楽しもう。

開催日/ 2015年2月8日(日)11:00~  
場所/マウナ・ラニ・ベイ・ホテル(ハワイ島)
入場料金/無料 
公式サイトwww.ukulelepicnicinhawaii.org


Profile
サザンオールスターズのベーシストであり、ウクレレをこよなく愛する「ウクレレマイスター」。ウクレレ・ピクニック・イン・ハワイ主宰としてハワイと日本の音楽交流にも尽力する。ハワイ・オアフ島で「ポエポエ・ハワイアンカルチャーセンター」も大好評開講中。




売るのはメイド・イン・ハワイという物語

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 ハワイで作られた「メイド・イン・ハワイ」のアイテムを統一ブランドとして商品開発や販売を行い、売上の一部をハワイのために役立てるプロジェクト「111-HAWAII PROJECT(ワン・ワン・ワン・ハワイ・プロジェクト)」がスタート! 旅行者が気軽に参加できる新しいハワイの社会貢献プロジェクトとして注目を集めています。気になるプロジェクトの全貌について、発起人でありプロジェクト事務局を運営するデザイン会社のクラレンス・リー・デザイン代表、クニ山本さんと、ハワイ州観光局ヴァイス・プレジデントのミツエ・ヴァーレイさんにお聞きしました。

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左:クラレンス・リー・デザイン代表 クニ山本さん
右:ハワイ州観光局ヴァイス・プレジデント ミツエ・ヴァーレイさん


編集部:まずは、この「111ハワイ・プロジェクト」とは、どんなものなのか、教えてもらえますか?

クニ山本さん(以下クニ):農産物や加工食品、工芸や手工業など、ハワイにはとても上質な商品を作っている会社がたくさんあります。そんな地元の産業を応援するとともに、ハワイの文化や環境を保護する団体もサポートしたい、さらにそれが旅行者をはじめ誰もが気軽に参加できるものだったらなお良いよね、というのがプロジェクトのベースにあります。具体的に言うと、さまざまな地元ハワイの生産業者とタッグを組み、新商品を一緒に開発して、「111ハワイ・プロジェクト」の統一ブランドとして販売します。その売上の一部が、ハワイ州観光局の定める、ハワイの文化や環境の保護のために活動するNPO団体に寄付されます。そして旅行者は、商品を購入することでプロジェクトをサポートすることができます。

編集部:「地元企業・産業」「ハワイの地域社会」「旅行者」の3者がみんなで協力し合えるプロジェクトなんですね。

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クニ:じつは、ハワイの製造業は、ほとんどが中小企業。一部のメジャーブランドはヒットしていても、そのほかは埋もれてしまっているのが現状です。中小企業であれば、マーケティングやPRに力を使う余裕のない企業がほとんど。しかし、ハワイラバーのみなさんはご存知のとおり、メイド・イン・ハワイの商品は本当にクオリティが高く、ハワイの外に出ても十分に評価されるべきものがたくさんあるんです。いい商品なのに埋もれてしまっている、その現状を何とかするには、まずはメイド・イン・ハワイそのもののブランド力を底上げするのが大事なのではないか、そう思ったのがこのプロジェクトのきっかけです。

編集部:それで、統一ブランド化する、というアイデアが生まれたんですね。

クニ:これまでデザイン会社として、さまざまなブランドを立ち上げてきたノウハウや経験を活かして、「メイド・イン・ハワイ」というブランディングの認知度をもっと上げていけるのでは、と思っているんです。ひとつの小さな企業ではできないことも、みんなが集まり、ひとつの大きな「メイド・イン・ハワイ」のブランドとして立ち上がることで、これまで届かなかった層へリーチしていくことが狙いです。さらに、メイド・イン・ハワイの商品が注目されることで、地元ハワイの産業を活性化させることも目的のひとつですね。

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ミツエ・ヴァーレイ(以下ミツエ):ハワイ州観光局としては、3つのポイントがあってこのプロジェクトに賛同しました。まず1つめは、地元の企業をサポートすること。2つめは日本とハワイをつなぐ事業であること。おみやげを買うことで日本からの旅行者のだれもが参加できるという気軽さも良いですね。そして3つめは、ハワイ産商品のブランディングを高めるものであること。取り扱う商品のガイドラインがしっかりあって、クオリティの高いものだけを選出しているという点も大きいですね。それぞれの商品や企業のバックグラウンドがしっかりしていて、物語や意義があるものに、人は惹かれると思うんです。たとえばチョコレートであれば、広いアメリカの中でもカカオが採れるのはハワイだけなんだ、ということも合わせて商品の魅力になりますよね。「ここにしかない特別なもの」というストーリーを、ブランドの中に折り込み、しっかりPRしていけることが大事です。

編集部:何が特別なのか、その意味がしっかり分かれば分かるほど、買う人も、おみやげとしてもらう人も、うれしいですよね。「このチョコレートはね」って、いろんな人に話したくなっちゃいます(笑)。

ミツエ:そこがポイントなんですよ。商品のバックグラウンドがしっかり伝われば、その企業の、111ハワイ・プロジェクト以外の商品にも興味を持ってもらえると思うんです。時間はかかると思いますが、でも、可能性は非常に大きいプロジェクトだと思っています。

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編集部:ハワイ州農務局が上質なメイド・イン・ハワイの商品に対して与える「シールズ・オブ・クオリティ」という制度がありますが、今回のプロジェクトとの違いは何でしょうか?

ミツエ:シールズ・オブ・クオリティは、「このハワイ産商品は一定の基準をクリアした上質なアイテムです」という、いわばハワイ州のお墨付きを、消費者がひと目でわかるように商品にシールを貼ることで表したものですよね。111ハワイ・プロジェクトは、そうした上質なハワイ産商品を支援し、これまで届かなかった層にリーチさせる、いわば起爆剤になると思っています。ですから、シールズ・オブ・クオリティに認定されている商品や企業も、どんどん111ハワイ・プロジェクトに参加していったら良いですよね。

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ミツエ:じつは、いろんな方から「ハワイのおみやげって、どれが良いの?」という質問をとてもよく聞かれるのですが、111ハワイ・プロジェクトのアイテムは、ハワイ産のなかでも上質なものだけがセレクトされていて、バックグラウンドや中身についてしっかり説明が行き届いていてわかりやすいので、おすすめしやすいですよね。さらに、ハワイの社会貢献にもつながるという。

編集部:売上の一部がハワイの環境や文化を保護する団体の活動に役立てられるとのことですが、具体的にはどんな団体に使われるのでしょうか?

ミツエ:どの団体にするかを決めるのはとても重要なので、時間をかけてじっくり協議をしました。まずは「Na Kama Kai」というNPOに寄付されることになりました。ハワイ州観光局としては、このプロジェクトを通じて、ハワイの環境や文化のために活動しているNPOを支援するだけでなく、そういった団体や、彼らの活動を、日本の方たちにも紹介していけたらと思っています。

クニ:111ハワイ・プロジェクトのオフィシャルサイトでは、寄付金額の報告や、寄付先のNPOの活動内容なども、しっかり伝えていきたいと思っています。

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編集部:さて、プロジェクト商品の第一弾として、UCCハワイの「アイス用100%コナコーヒー」が発売されていますね。

クニ:UCCは日本でもお馴染みのブランドですが、コナコーヒーで有名なハワイ島コナに大きな農園があります。今回、111ハワイ・プロジェクトと共同開発し、特別に豆の選定と焙煎を行い、アイスコーヒーに最適な100%コナコーヒーができました。

編集部:パッケージも、とてもおしゃれですよね。さすが、ハワイを代表するデザイン会社の仕事だなという感じがします。

クニ:ジャンルもカラーも違うさまざまな企業が参画するプロジェクトなので、どんな商品やどんな企業でも、しっかり統一したイメージが維持できるデザインでなければいけないですよね。そのため、「このマークがあったらこのプロジェクトの商品」というのがわかるように、シンボリックなマークを作り、ビジュアル戦略を図るんですね。そこで今回起用したのが「ダイヤモンド・ヘッドッグ」と「ダイヤモンド・ヘッドルフィン」というキャラクター。今後はどの商品にも、パッケージにはこのマークがデザインされていきます。

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編集部:頭がダイヤモンドヘッドになっている犬とイルカ、かわいいです!

クニ:ありがとうございます。難しく考えなくても、素直に「かわいい!」って思って、親しみを持ってもらえるよう、子どもでも描けるようなシンプルなものにしました。

編集部:このダイヤモンド・ヘッドッグとダイヤモンド・ヘッドルフィンをデザインした関連商品もたくさん発売されているんですよね?

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クニ:トートバッグやTシャツ、キーチェーンやぬいぐるみなど、さまざまなアイテムをリリースしています。トートバッグやTシャツは、ハワイの職人さんがすべてハンドプリントしているんですよ。ハワイの新しいおみやげとしても好評をいただいています。

編集部:現在、ワイキキ中心のショップ「アカクラハウス」の中に、111ハワイ・プロジェクトのショールームがプレオープンしていますが、これらのグッズやUCCのアイス用100%コナコーヒーは、ショールームで購入できるのでしょうか?(※2015年1月11日グランドオープン)

クニ:はい、実際に手に取ったり、購入できますよ。またショールームでは、プロジェクトの活動についてもしっかりと紹介していきます。ショップではなく、あえてショールームと言っているのは、ただ商品を売るのではなく、「物語を売る」ことに意味があると考えているからなんです。

編集部:メイド・イン・ハワイという物語であり、ハワイの魅力という物語であり、地元の企業と旅行者がつながる物語であり...ですね。今後の広がりがますます楽しみです。どうもありがとうございました!

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【グランド・オープニング・イベント開催決定!】
●日時:1月11日(日)一般入場14:00〜
●場所:アカクラハウス(ハードロックカフェやビルズの並び)
●ププのサービスや、UCCハワイ・アイスコーヒーのサンプルサービス、プレゼントやドアプライズなどお楽しみが盛りだくさん!

スラックキーギター界に登場した期待の新人

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 アロハ! ヒロヨです。
 2014年11月にファーストアルバムをリリースし、うっとりするような極上のファルセットを奏でるハワイ島出身のショーン・ロビンスさんがアロハストリート編集部へ遊びに来てくれました。整った顔立ちが美しいロビンスさんに、音楽を始めたきっかけやニューアルバムのことなどいろいろお話をうかがいました。

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ショーン・ロビンス
ハワイ島プナ出身のスラックキーギター奏者。ハワイ大学ヒロ校でハワイアンスタディーを専攻し、ハワイ語も堪能で、ファルセット唱法が得意。1993年12月15日生まれ。2014年11月にデビューアルバム「オラヌイ」を発表した期待の新人アーティスト。

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──初めまして。2014年11月にデビューアルバム「オラヌイ」が発売されましたね。ジャケットもすごく素敵です!

ショーン・ロビンス(以下ショーン):僕もとても気に入っているんですよ。これは僕のホームタウン、ハワイ島東部のプナで撮影しました。プナはハラの木でとても有名な場所なんです。ハラの葉はラウハラと呼ばれ、おみやげ屋さんでよく見かける敷物や小物入れなどの素材に使用されています。そんな生まれ故郷を象徴するハラの木とともに撮影した写真をジャケットにしました。

Alubum.jpg ──アルバムの中にはどのような曲が収録されているのですか?

ショーン:全部で12曲あり、11曲がオリジナルで3曲がインストルメンタルです。ファーストアルバムは自分のルーツを表現したいと思い、生まれ育った街や自然、人々をテーマに作詞作曲した楽曲を収めました。

──ご自分の故郷をとても大切にしていらっしゃるんですね。

ショーン:そうですね。とくに、カイムというビーチの曲はぜひこのアルバムに入れたかったのです。小さい時、家族や知人が集まってパーティーをして過ごしたカイムでは、一日中ハワイアンミュージックが流れていました。その時からハワイアンミュージックに興味を持ち始め、今僕がミュージシャンをしているのも、カイムで過ごしたあの日々があったからこそだと思っています。

──そもそもスラックキーギターを始めたきっかけというのは、何だったのでしょう?

Sean5.jpg ショーン:叔父が持っていたギターを11歳頃の時に使わせてもらって弾き始めたのがきっかけですね。最初は叔父に教えてもらっていましたが、あとは自己流です。今回のアルバムのプロデューサーでもある、 シリル・パヒヌイとの出会いの影響も大きいですね。

──あの、とても初歩的な質問なのですが、スラックキーギターと普通のギターってどういう違いがあるのでしょうか。

ショーン:ギターは同じですよ。ただチューニングや奏法が違います。チューニングの仕方はミュージシャンによって異なるのですが、ぽわんとゆるんだ音色が特徴ですね。あとはベースを弾きながら同時にメロディも演奏するところかな。

──ベースもメロディも同時に弾けるなんて...。スラックキーギターだけでいろんな音色を奏でることができますね。

Sean3.jpg ショーン:そうですね。コンサートではバックミュージシャンたちと演奏することもありますが、毎週やっているライブではソロがほとんどです。ソロでもスラックキーギターは十分聞き応えがありますね。バックミュージシャンとのコラボレーションも楽しいけれど、自分で好きなようにアレンジしたり弾き方を変えられるソロも大好きです。

──ライブはどこで行っているのですか?

ショーン:毎週金曜と土曜はハワイ島のコハラコーストに面した「ザ フェアモント オーキッド」内のレストラン「ブラウンズ ビーチハウス レストラン 」で演奏しています。1カ月に2回くらいはオアフ島へライブやほかの活動で来ていますよ。

──オアフ島にもよく頻繁に訪れているのですね。ハワイ島とはどんな違いがありますか。

Sean.jpg ショーン:にぎやかさが違いますよね。ヒロでは21:00以降に開いているお店は「ケンズ・ハウス・オブ・パンケーキ」だけ(笑)。友だちがハワイ島に遊びに来たら夜は必然的にそこに行くしかないですね。唯一の24時間営業の店ですから(笑)。オアフ島は夜開いている店も多くて都会的な楽しみ方ができますね。僕は両方とも好きです。

──ハワイの島々にはそれぞれの特徴や表情がありますもんね。ハワイ以外、日本や海外でのライブの予定はありますか?

ショーン:まだ具体的な予定はないですね。でもぜひ日本へも行きたいです! アルバムも出したことだし、2015年はライブ活動に力を入れていきたいと思っています。日本はもちろんハワイアンミュージックが人気のアメリカ本土のウエストコーストで開催されるスラックキーギターのフェスティバルにも参加したいですね。ハワイのグラミー賞とも言われている「ナ・ホク・ハノハノ・アワード」に向けた活動もがんばっていきたいと思っています。

──応援しています! 「ナ・ホク・ハノハノ・アワード」もとても期待しています。今日はありがとうございました。

Sean_sing.jpg  インタビュー終了後、なんとショーンさんがアロハストリート編集部で1曲披露してくれました。スラックキーギターのやさしい音色に、甘いマスクのショーンさんが奏でるファルセットが共鳴し、オフィスにいた全員が聞き惚れ、歌い終わったあともその余韻で夢見心地な気分に。まっすぐ心に響くショーンさんの歌声と演奏が魅力的な彼のファーストアルバムはwww.mele.comまたはiTunes(日本米国)で購入できるので、ぜひチェックしてみてくださいね。

2014年ホノマラ日本人1位!大会の魅力とは

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 昨年2014年12月14日に開催された第42回JALホノルルマラソン。参加者22,068人、内日本人13,454人のなかで、日本人男子トップに輝いたのは、2012年以来2回めのトップとなる原田拓さんでした。自らレースに挑むアスリートでありながら、日本でランニングスクールを経営し指導者としても活躍する「プロマラソンランナー」の拓さん。ハワイ滞在中の彼にお会いし、お話を聞かせていただきました!

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プロマラソンランナー
原田拓/taku

国士舘大学時代に箱根駅伝に出場。その後、八千代工業の実業団に所属しながら全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)に出場しエースとして活躍する。2010〜2011年には、マラソン・ロンドン五輪代表の藤原新選手のトレーニングパートナーを務めた。2012年第40回JALホノルルマラソン日本人第1位獲得を機に実業団を退社し、2013年、プライベートランニングスクール「FROG」を設立。スクールの代表として指導に従事する傍ら、競技選手として大会に出場し、輝かしい成績を収める。2014年軽井沢リゾートハーフマラソンのハーフ&ハーフ部門総合優勝、同じく2014年、第42回JALホノルルマラソン日本人第1位(2時間27分26秒で全体7位)。

1984年生まれ/165cm/51kg
公式サイト:http://taku-harada.com


















300taku1.jpg──JALホノルルマラソンでの日本人第1位(全体7位)の記録、おめでとうございます!2014年の大会当日は雨と風のあいにくの天候でしたが、レースを終えた感想をお聞かせください。

400IMG_4680.jpg原田拓(以下拓):ありがとうございます。トップ集団のケニア人選手たちがスタート直後から予想以上にハイペースだったので、ついていかずにひとりで走ったんですよ。集団のなかにいるとお互いに風を遮られるのですが、周りに誰もいないと風をもろに受けてしまって、前半は過酷でしたね。でも、折り返し地点からは追い風になるし、何人かの先頭選手たちのスピードも落ちると読んでいたので、後半戦が勝負でした。気持ちは何度も切れそうでしたが、沿道から聞こえる声援がすごく力になりましたね。まさか日本人がトップで走っていると思わないのか、みなさん驚いてくれるんですよ。名前を呼んでくれる方もたくさんいたので、もう少し余裕があったら手を振って応えたかったですね。

300taku03.jpg──あんなに早く走るトップの選手たちにも、応援の声はちゃんと届いているんですね! 拓さんは普段、「プロマラソンランナー」として活動されているそうですが、この職業について、詳しく教えていただけますか?

拓:僕はもともと実業団に属してマラソンをしていましたが、実業団の選手たちは長くても10年ほどしか現役でいられないのが現実なんですよ。その人たちの多くは、選手として走らなくなった後、もしかしたら本来興味のなかった仕事をずっと続けることになる。また、世の中的にもランニングの人気が高まっていて、走りたいけれど走り方が分からないひともたくさんいますよね。だったら、走りたい人たちと、走る技術を持った人たちを繋げる職業を作ればいい、と思ったんです。普段はパーソナルやグループレッスンでコーチングをしながら、自らも競技大会に挑むためトレーニングに励んでいます。ハーフとフルマラソンの大会に出場していますが、僕にとっての本番は、ホノルルマラソンなんです。

──なるほど。でもなぜ、ホノルルマラソンなんでしょうか?

拓:そうですね、実は中学の時から「最後引退する時はホノマラ」と決めていたくらい、憧れのようなものがあって。実際に出てみても、やっぱり特別ですね。冬なのに暖かいし、国内のマラソンより応援が多い。あと、ほかの大会では、出場者同士がお互いに応援することはあまりないんですが、ホノルルマラソンでは、みなさん声を掛け合うことも多いですよね。「こういうのっていいな」って、新鮮な印象でした。

──確かに。私も参加しましたが、走っている人も見ている人もみんな応援してくれて、とても温かい気持ちになりました。逆に、ホノルルマラソンならではの大変なことはありますか?

拓:あー、ありますね。スタート地点の場所取りが大変。スタートのポジションを取るために30〜40分前くらいから並ぶんですよ。みなさんと同じように普通にエントリーして、当日は並びます。エリート選手たちはその30メートルくらい先から走り始めるので、その差をいかに縮めるか、というのもポイントになりますね。

──そうなんですね!その状況で、トップを行く人たちを追い越すわけですね...すごい。最後に、今年、2015年の一般申し込み受付が4月頃に始まりますが、初めて挑戦したいと思っている人や、ビギナーたちへ、なにかアドバイスをいただけますか?

拓:フルマラソンを走るコツとしては、最初の10キロのスピードを抑えるのが一番簡単です。筋肉ができていない状態で走って体が痛くなるのは当然ですが、その痛みをどれだけ小さくするかが大事ですよね。痛くなる原因の多くは、失速してフォームが崩れ、膝に負担がかかった時にあるので、まずは最初から飛ばし過ぎない方がいいですね。給水はなるべく毎回、少しずつ取ることとか。あと、事前のトレーニングならハイキングがオススメ!ハイキングで、とくに下りの時に使う筋肉は、マラソンで使う筋肉と似てるんですよ。レースの1カ月くらい前から3回、筋肉痛になってください。そうすると、マラソンの後半が大分楽になります。ハワイならダイヤモンドヘッドとかがいいですね。1回めより2回めはペースを早めて負荷を大きくできると、徐々に足ができてきます。毎日少し走るよりずっと効きめがあるので、ぜひ試していただきたいですね。

──いいですね、ハイキング!それなら楽しくトレーニングができそうです。今日はありがとうございました。これからも応援しています!

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インタビューを終えて

ランニングスクールを経営する傍ら、自らも選手として大会に挑戦し続ける拓さん。2016年リオ五輪マラソン日本代表が目標なのだそう!やさしい雰囲気で、編集部オフィスにも爽やかな風を吹かせてくれました。今後の活躍が楽しみです!







食材が持つ美味しさの極みをシチリア料理で

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 ワイキキ中心にある人気イタリアン・レストラン「タオルミーナ・シチリアン・キュイジーヌ」のエグゼクティブ・シェフ、三村浩之さんにインタビュー!美味しさの秘訣を探ります。

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タオルミーナ・シチリアン・キュイジーヌ
エグゼクティブ・シェフ
三村浩之

東京・赤坂にある「ピッツェリア・マルーモ」からシェフの道をスタートし、イタリア・フィレンツェで4年間経験と実績を積む。アメリカ・ニューヨークに渡った後、現在の「タオルミーナ・シチリアン・キュイジーヌ」に入り、2010年6月、エグゼクティブ・シェフに就任。フィレンツェで就労中には、「ラ・ロッタ・デル・ヴィーノ スローフード・コンテスト」のメインディッシュ部門で第1位に選ばれるなど、輝かしい成績を収めている。












400IMG_7197.jpg──こんにちは!まずは、料理をはじめたきっかけと、イタリアでの修行時代のお話をお聞かせいただけますか?

三村浩之(以下三村):料理はなんとなく、いつのまにか始めていたという感じなのですが、昔から食べることは好きで、いいものを食べていたな、という記憶はあります。最初は赤坂の「ピッツェリア・マルーモ」で働き、その後、なんのあてもないまま学生ビザでイタリアへ渡りました。アメリカに住んでいた姉に、「行っちゃえばなんとかなるよ」って言われていましたが、そうでもなかったですね(笑)。イタリア語は「ここで働きたいです」という言葉だけを辞書で調べて、100件くらいはまわりました。最終的に働かせてもらった店「イル・ペッティロッソ」は、実際に食べて本当に美味しかったから、「給料はいらない、ここで働かせて!」って頼み込んだんです。「どうにかなる」って、こういうことか...と(苦笑)。そこの店主は、経営抜きにして、いい素材でいい料理を作ることにとことんこだわる職人肌だったから、僕にとっては夢のような世界でしたよ。イタリアではそこらじゅうで食材が採れるので、休憩時間には、ハーブやキノコ、アプリコットを摘みに行ったり。作った料理をとにかく試食する毎日を過ごしました。現在作る料理も、これまで食べて美味しかった料理の味を思い出しながら、再現しています。

──すごいですね。イタリアを夢見る日本人も多いと思いますが、実際はきっと厳しい世界ですよね。

三村:そうですね、せっかくイタリアへ行っても、日本食レストランで働く人も多くいました。言葉も分からず、経験もない日本人を雇うイタリア料理店を探すのは難しいし、貯金はそのうち底をつくわけで。海外では生きる力がないとやっていけませんね。あとは、経歴に箔をつけるために三ツ星レストランで働く人もいるけど、そこで3年間皮むきだけをしていても意味がないというか...。もうそういう時代じゃないと思うんですよ。僕はラッキーなことにディープなところまで携わらせてもらい、本当にいい経験ができました。

──なるほど...。なかでも思い出に残っていることはありますか?

三村:ええ、働いた店のシェフがとにかく素晴らしかった。チームで共同開発した「アンコウの香草ロール巻き」は、イタリア人のシェフが集まる「ラ・ロッタ・デル・ヴィーノ」で、1位を獲りました。地元産の食材を使った料理でイタリアのブランドを高めていこう、というテーマのスローフード・コンテストです。

──本場イタリアで第1位とは素晴らしいですね。ぜひこのお店でも食べてみたい!

三村:そうですよね。ハワイでも作ってみようかな、と思ったことはありますが、手に入る食材が違うから、そのメニューはどうしても同じ味に再現するのが難しいんですよ。ハワイでは、近海の白身魚や旬のフルーツ、野菜などローカルでいい食材があればそれを使いますし、アメリカ本土の方がいいものは取り寄せます。ここでは無理に地元産やイタリア産にこだわりすぎず、シンプルにいいものを厳選しています。

400RIMG_7246_edited-1.jpg──では、シェフが一番好きな素材、また、それを使った料理をひとつ挙げるとしたら、何ですか?

三村:ひとつ...。やっぱり仔羊ですね。ここで仕入れているコロラド産の仔羊は、最初に食べた時にびっくりした食材です。いままで知っていた仔羊の味とは全く違ったんですよ。イタリアより断然、アメリカ・コロラド産。僕の知っているなかで一番美味しい肉です。ここでは、シンプルに炭火焼きにして、香草と一緒に盛りつけています。

R10494605_589595831145913_6434653509278239523_n.jpg──炭火焼き...美味しそう!

三村:ええ、この店のコンセプトでもあるシチリア料理は、イタリアのなかでも、素材の味が大きな決め手となる料理なんです。同じイタリアでも、北部ではバターやクリームを使ったり、中部では肉料理が多かったり、地方によりそれぞれ特徴がありますが、僕がフィレンツェで修行させてもらった店のシェフは、全土の料理法を知っていました。シチリアは、フィレンツェにいたころに訪れ、本場の料理を勉強しました。

──「イタリアン」と言っても、奥が深い感じがしますね。シチリア料理について詳しく教えてください。

三村:簡単に言うと、炭火焼きがほとんどです。味付けは塩、胡椒、オリーブオイルで。横には香草やレモンなどの柑橘類、ナッツを添えます。僕がイタリアの店でよく言われていたのは、「何を食べたか分かるようにしろ」ということ。つまり、なんとなく美味しい印象を残すではなく、何がどう美味しかったか主役をはっきりさせることですね。飾り付けのために本来ない方がいいソースを添えていたり、クリームで素材の味が消えてしまっているイタリア料理もあるけれど、シチリア料理のいいところは、素材の味が勝負なところです。焼き加減や塩加減で旨さが決まるんです。

──なるほど。シチリア料理って、なんだか究極の料理ですね...。

三村:そうですね。塩だけで、素材の香り、旨味、甘み、しょっぱさ、すべてを表現します。塩分控えめで、オイルを使わないヘルシー料理も流行っているけど、僕は反対ですね。僕は「マンジャーレ、カンターレ、アモーレ」っていう雰囲気で作ってますよ。「食べて、歌って、恋をして」っていうイタリアの言葉ですが、深く考えず、塩もオイルも、必要な分だけ入れて、シンプルに美味しいものを作る。イタリアはワインを飲む文化なので、ある程度塩分がないと、ワインには合わないですしね。トレンドとは違うかもしれないけれど、こんな店があってもいんじゃないかなって。だからこの店のシェフたちには、必ずすべての料理を味見するよう徹底しています。レシピ通りに作って終わり、というレストランもありますが、最後は味覚が頼りですから。ちなみに、塩は、ハワイ島産のコナシーソルトを使っています。海洋深層水の塩なので、ミネラルが豊富なんですよ。

400RIMG_7225_edited-1.jpgR10393796_704445409660954_9179897799323853612_n.jpg──シンプルだからこそ、培ってきた味覚と経験が仕上がりを左右する、というわけですね。

三村:そう、そこですよね。歴史のある料理だから、そこに日本人の感覚を入れたり、余計なものを加える必要はありません。人種や育った環境がどうであれ、料理は美味しいかまずいか、それだけですよ。日本の寿司にも共通しているものがあると思いますが、何もアレンジせず、シンプルな美味しさを極めるだけです。僕は日本人だけど、世界でやってきたから気持ちは日本人ではありません(笑)。ここではシェフやスタッフのバックグラウンドがみんな違い、いろんな意見があって面白いですよ。その方が、世界中から集まるお客さんを満足させられると思います。

──なるほど、奥深い。ところで三村さんは、いわゆるシェフ体型ではなく、かなり引き締まってますよね。なにかトレーニングなどしていますか?

三村:いや、仕事いっぱいしているんで(笑)。働き者です。コンディションを整えられないのは、プロフェッショナルじゃないですからね。体調はいつもベストな状態にするよう、気をつけています。

──さすが...!三村さんが率いるタオルミーナの料理は、じっくり時間をかけて味わいたいです。最後に、アロハストリートの読者にメッセージをお願いします。

三村:イタリア料理を食べたくなったら、うちに来てください。イタリア料理はこういうものだって、分かると思います。

──ありがとうございました!

インタビューを終えて

こだわりの絶品料理を生み出すエグゼクティブ・シェフ、三村さんは、ゆっくりとていねいにインタビューに応じてくれました。やさしくホワっとした雰囲気で周りを和ませながらも、確固たるプロフェッショナリズムを感じました。シンプルだからこそ、奥が深いイタリアのシチリア料理...。心して味わいに行きたいです!

ハワイ随一の食通に聞く!グルメの楽しみ方

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 アロハストリートの連載コラム「ショーン・モリスのハワイ最新グルメ探訪」で、いま最もホットなハワイのグルメ情報をご紹介しているショーン・モリスさん。ハワイきっての食通として知られるショーンさんが新たにプロデュースする、レストランの特別予約ウエブサイト「ハワイおまかせメニュー」がスタートしました。多方面で活躍する彼にインタビューし、グルメについて語っていただきました!

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Advertising Associates International, LLC. 社長、フードライター
ショーン・モリス/Sean Morris


ホノルルを拠点とするアジアのマーケティング&PR会社「Advertising Associates International, LLC.」社長。ハワイ随一の食通、またワイン愛好家として広く知られ、地元ラジオ局のグルメ番組でパーソナリティを務めるほか、ハワイ州観光局やVOGUE JAPANのウエブでコラムを連載するなど、多数のメディアで活躍する。ハワイのグルメシーンで欠かせないアイコン的存在。
Twitter: www.twitter.com/incurablepicure












300IMG_8599.jpg──こんにちは!さまざまなメディアで活躍するショーンさんですが、主な仕事内容と、食に関するビジネスを始めたきっかけを教えてください。

ショーン・モリス(以下ショーン):メインの仕事は、アジア向けの広告代理業とPRの会社を経営しています。もともとワインと食べることが好きだったので、知り合ったセレブリティたちや、メディアを通して日本人にオススメのダイニング・スポットを紹介するようになり、趣味が徐々にビジネスに繋がっていきました。

メディアの仕事は、地元のAMラジオ局でフード&ワインをテーマにした番組のホストを務めることになり、そこからいろいろな雑誌やウエブでコラムを執筆するようになりました。ハワイ在住日本人向けの生活情報誌「ライトハウス」や、日本で販売されているハワイのガイドブック「ヌーボーハワイ」、ハワイ州観光局公認のウエブサイト「Hawaiing.com」、「ヴォーグ・ジャパン」のウエブサイト、そして、アロハストリートでコラムを書いています。また、2014年10月に日本で出版された「ハワイ ベストレストラン2015」では、編集長の本田直之さんと稲本健一さん、マキ・コニクソンさん、内野亮さんと一緒に、ハワイの食通5人のうちのひとりとしてレストランを紹介させてもらってます。今後は「GOLD」や「女性セブン」でも僕のオススメがフィーチャーされるので、ぜひ読んでもらいたいですね。

──どんどん執筆の場が増えていますね!プライベートで好きなこと、といえば?

ショーン:うん、うれしいことですね。趣味はやっぱりフードとドリンクが中心。旅行が好きで世界中を旅していますが、訪れた場所ではレストランを巡り、シェフたちに会うのを楽しみにしています。自分で料理や焼き菓子を作るのも好きで、ケーキやパイ、クリームパフなど、時間が許す限り作りますよ。あとは、僕が飼っているメジロのラッキーとキウイが大好き(笑)。捨てられたり迷子になった生まれたてのメジロを大きくなるまで育てていて、2羽とも人間みたいに個性があるんですよ。

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湯島の和食レストラン「くろぎ」を訪れ、店主でありアイアンシェフとして知られる黒木純氏と



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富裕層向けの米トラベル誌「エリート・トラベラー」で
世界番付第1位に輝いたシカゴのレストラン「Alinea」にて
グリーンアップルの風船(料理)を食す



──ラッキーとキウイ、いつもショーンさんのツイッターで見ています。かわいいですよね(笑)。自分で料理をするときは、どんなものを作りますか?

ショーン:そうですね、妻が素晴らしい和食を作ることが多いので、僕はフレンチやイタリアンが多いかな。名前を挙げるとしたら、ペッシェ・アクアパッツァ、ステーキ・ダイアン、ラム肉のラベンダー・ポート・リダクション添え、ロブスターとトリュフのビスク、パルメザンとセージのポークチョップ、パッションフルーツのカード(クリーム)とラスベリーローズ・コンポートを添えたフレンチトーストとかね。美味しそうでしょう?

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友人宅にて週末のホームパーティで振る舞ったショーン・モリス自作の料理



──美味しそう!さすが、本格的ですね。仕事で食べ歩くことも多いと思いますが、好きな食べ物のジャンルはありますか?

ショーン:うーん、もし好きなジャンルをひとつ選ぶとすれば、日本食がいいかな。日本の料理は彩り豊かで、煮物、焼き物、蒸し物、揚げ物...選択肢の幅が広いですから。まあ、僕はとにかく何でも食べます。冒険が好きなので、食べられそうなものなら何でもトライしますよ。

──あらゆる料理をご存知かと思いますが、ハワイの食文化は、アメリカ本土やほかの国と比較し、どのような特徴がありますか?また、ハワイにあるレストランのユニークなポイントは?

ショーン:ハワイのフード・カルチャーは、比較的、保守的ですよね。モダンキュイジーヌはとくに限られたものしかない。また、ハワイの人は食べ物にそれほどお金をかけないように思います。

ただ、それは必ずしも悪い意味じゃなくて。ハワイのシェフたちは限られたバジェットのなかで、新しくて刺激的な料理を生み出すことにいつもチャレンジしています。移民が多い島国だからこそ、多国籍の文化が共鳴して世界にアピールできる味を作り出している。とくに影響が大きいアジアの食文化がクラシックなヨーロッパの調理法と上手く融合して、ハワイならではの「パシフィック・リム・キュイジーヌ」が生まれましたからね。いまではお馴染みのパシフィック・リムですが、それを生み出したローカルシェフのロイ・ヤマグチとアラン・ウォンの功績は大きいですよ。料理を通じてローカル食材も注目されるようになり、地元農家や漁師もプライドを持って上質な素材をプロデュースしています。

──なるほど、ハワイのグルメシーンはユニークで面白いですね。新しいお店も次々とオープンしていますが、ハワイ出身の若手シェフや、ほかから移り住む新しいシェフたちについてはどう思いますか?

ショーン:そうそう、どんどん増えていますね。才能のある若いシェフがたくさんいますよ!彼らの多くは、ロイ・ヤマグチやアラン・ウォン、マブロ(ジョージ・マロサラシティス)の元でハワイ・リージョナル・キュイジーヌの基礎を学ぶところからスタートし、アメリカ本土や世界各国で知識と技術を培いハワイへ戻ってきています。ハワイにルーツを持つ若い世代のローカルシェフと、島の外から移民するシェフによって、ハワイのキュイジーヌに磨きがかかっているんじゃないかな。

400IMG_8595.jpg──では、数あるお店のなかで、ショーンさんがお気に入りとして選ぶ基準は?

ショーン:基本的にレストランのレビューを書く前は、少なくとも2回は行きます。注文するメニューは、僕の好みではなく、普段オーダーしないようなメニューを選びます。そうすることで、シェフのスタイルや方針、得意分野について、深く理解できる。ひとつのレストランで、お気に入りのメニューをひとつしか挙げられないのは好きじゃないんですよ。料理を味わう時は、ひと皿にシェフのパッションを感じるかどうかがポイント。技術、食感、風味、温度、盛り付けなどを判断し、それらが手のつけようがない完璧なものなのか、それともどこか変化させた方がいいと感じるのか、もしくは、ただ単純に僕のインナーソウルに響くのかどうか...。

──なんだか奥深い...。情熱的で素敵ですね。ところで、ショーンさんがプロデュースする新しいウエブサイト「ハワイおまかせメニュー」は、どのような経緯で立ち上がったのでしょうか?

ショーン:「ハワイおまかせメニュー」は、僕のお気に入りをもっと多くの友だちに紹介したいと思ったところから始まりました。親しい友だちは、僕と同じように食べ歩きが好きな人が多いんですよ。どこで何をオーダーして、何時頃に行くのがベストか、また、通常メニューにはない秘密のメニューも知りたがってる。それらを知っていると、あてもなくレストランに行くよりも特別感を感じられますからね。ガイドブックに掲載されるレストランはどこも同じ店の同じメニューが多いですが、通常は味わえないメニューを注文できる「ハワイおまかせメニュー」を利用することで、日本からの旅行者も僕の友だちと同じように、ロコのVIP待遇のような特別感を感じてもらえたらいいな。

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コラムの取材でダウンタウンの人気店「グロンディン」を訪れ、
オーナーのデイビッド・セガーラ氏と


RIMG_8790.jpg──「ハワイおまかせメニュー」のコースメニューは、どのように決めていますか?

ショーン:お気に入りのレストランのなかでも、とくに好きな料理を厳選し、それらを少しずつまとめて楽しめるコースにしました。また、オーナーやシェフと相談しながら、特別メニューを新しく作ることにも挑戦しています。すでに人気のお店でも、通常メニューにない裏メニューを試すためにリピートしてもらいたいと思ってます。
 
──では、ずばり、グルメとは、ショーンさんにとってどのようなものでしょうか?

ショーン:そうですねー、グルメは、シンプルに美味しい食べ物を楽しむ人のこと。多くの人は生きるために食べてますが、僕は食べるために生きてます。素晴らしい料理を探すことや、その料理に惹かれる理由を追求することは、僕個人のジャーニーですね。

フードライターとしては、僕の考えをシェアしなければいけないのですが、個人的な意見は最小限に留めています。ブログやコラムに書く時は、「美味しい」という言葉はなるべく使わないんですよ。僕個人のことを知らない読者が、僕が言う「美味しい」を理解できるわけがないですもんね。好みが違えば、「美味しい」は意味を持たなくなる。だから、料理の風味、食感、温度、調理法を客観的に表現して、それを試す価値を見出すかどうかは読者に委ねるようにしているんです。

──なるほど。ショーンさんの料理に対する描写は、香りさえも伝わってきそうで、読むとお腹が空きますよ(笑)。最後に、アロハストリートの読者へメッセージをお願いします。

ショーン:アロハストリートのコラムを通じて、この島の素晴らしいキュイジーヌのことをより深く知ってもらえたらうれしいです。また、「ハワイおまかせメニュー」でしか注文できない特別コースを食べることで、料理に対する僕の発見をシェアできたらいいな。そのレストランを初めて訪れる人にも、リピーターにも楽しんでいただけると思います。それではみなさん、アロハ&ボナペティ!

RIMG_8878.jpg★アロハストリートコラム「ショーン・モリスのハワイ最新グルメ探訪
★特別メニュー購入・予約サイト「ハワイおまかせメニュー

インタビューを終えて

いつ会ってもバイタリティに溢れフレンドリーなショーンさん。レストラン取材に同行すると、オーナーやシェフとのやりとりからショーンさんへの信頼の厚さがうかがえます。グルメに関することは仕事といえど、本人が純粋にワクワクとしている様子が伝わり、一緒に仕事するのがとても楽しい存在です。ショーンさんがオススメする料理は間違いありません!

若き経営者がプロデュースするこだわり和食

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 アロハストリート編集スタッフも、ランチなどでよく利用しているそば屋の「心玄」。お店を訪れるたびにテキパキ動き、ていねいなサービスでひときわ目立つ存在のウェイターの方がいるなーと思っていたら、なんとその方はお店のオーナー! しかもべレタニア通り沿いにある隠れ家的居酒屋として人気の「心」のオーナーも務めているという、26歳の中谷翔一さん。この若さでオーナーになったきっかけやチャレンジ、お店のこだわりなどについてインタビューしました!

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居酒屋 心/心玄オーナー
中谷翔一

大学卒業後、2年間飲食店のコンサルティング会社に勤め、マネージメントや新規事業形態の開発、海外事業、海外マーケティングを経験後、2014年2月にハワイへ。「居酒屋 心」と「心玄」のほか、お弁当の「こころ亭」、ペットウエアが人気のアパレルショップ「ルナブルー」などを運営するリアルジャパンの代表取締役を務める。












──こんにちは。中谷さんとってもお若いので、オーナーと聞いてびっくりしたのですが、どのような経緯でオーナーになられたのですか?

中谷さん(以下、中谷):僕は大学を卒業後、飲食店のコンサルティング会社に就職し、マネージメントからマーケティング、海外事業などを担当していました。その後、ここハワイでお弁当屋の「こころ亭」や「居酒屋 心」などを経営していた父が、「あとはお前に任せるよ」ということで、経営を引き継ぐことになったのです。

nakatani.jpg ──いきなり経営者になることに戸惑いや不安はありませんでしたか?

中谷:なかったですね。何事もやってみなきゃ分からないという思いがありましたから。昔から父の後を継いで社長になるものと考えていたので、大学も経済学部で経営学を専攻し、就職先も飲食店のコンサルティング会社を選びました。

──社長から逆算しての人生設計だったのですね(笑)。

中谷:そうですね(笑)。でも、その時の経験が今とても役に立っています。

exterior.jpg ──実際に、ハワイでお店を経営する側になって、苦労した点は?

中谷:「人」ですね。日本人だけでなく、異なる文化の中で育ってきたローカルスタッフもいるので、ちゃんと人間関係を築き、教育し、理解してもらうことは時には難しいこともあります。自分の思いが伝わらなかったり、伝わりにくい場合は、徹底的に話し合うか、実際に行動で見せて分かってもらえるよう努力しています。

──ホールできびきびと働く中谷さんをよく拝見しますが、その姿を見てスタッフの方たちも学んだり、共感したり、刺激になっているのではないでしょうか。

中谷:はい。スタッフのなかには自分より年上の方も多いので、僕のような年下が頭ごなしに指図するだけでは、協力してもらえないと思います。だから実際にホールに立って、動いて、一緒に働く。そうすれば、自分のことを認めてくれるし、意見もちゃんと聞いてくれると信じています。店で働くのは、接客が好きというのもあるのですが、お客様の反応がダイレクトに分かるし、サービス面での改善点などいろいろ気が付かせてもらえるとても貴重な時間です。あと、実は寂しがりやなので接客はやめられないですね(笑)。

nakatani_interview.jpg ──たしかに、寂しがりやさんにはぴったりのお仕事ですね(笑)。いろいろと苦労も多いと思いますが、経営者という仕事のどこに魅力を感じますか?

中谷:良くも悪くも自分しかいないということです。もともと指図されて動くのが嫌いなタイプなので自分で舵を切ることができるのはとてもうれしいです。と同時に責任感も増してきますけどね。でも、自分のアイデアがダイレクトに表現できるというのは大きな魅力です。

shingen_interior.jpg ──表現したいアイデアがたくさんあるからこそ、魅力的に感じるのでしょうね。新しくリニューアルオープンした「心玄」は、中谷さんのどのようなアイデアを取り入れられたのですか?

中谷:日本の有名なそば屋である「松玄」のビジネスを引き継いだのが「心玄」なのですが、松玄時代のお客様にも満足いただけるよう、メニューはほとんど変えませんでした。そばの製法もそのままで、北海道産のそばの実を店でひき、新鮮なそばを提供しています。ただ、内装は「居酒屋 心」のようにモダンでシックなインテリアにして統一しました。このインテリアにしてから、日本の方だけでなく、ローカルや欧米の旅行者のお客様の利用が増えましたね。

tenseiro.jpg ──なるほど。お店の雰囲気で客層が大きく変わることを体感されたわけですね。そして今後は、メニュー作りにも関わっていらっしゃるのでしょうか?

中谷:そうですね。「心玄」は今のところあまり手を加えてませんが、それでも基本的に自分が食べたいと思うものが多くなりますね(笑)。ホールにいるとお客様が求めているのも分かりやすいので、メニューに反映させやすいです。まだ先の話ですが、「寿司も食べたい」とのお客様のご要望にお応えして、心玄では今後カウンターを作って寿司も提供していこうと思っています。

omakase.jpg ──そばと寿司が一緒に味わえるようになるなんて、とても楽しみです。では、「居酒屋 心」は中谷さんが加わってから、何か変えた部分はありますか。

中谷:去年は「心玄」に力を注いできたのですが、落ち着いてきたのでちょうど今いろいろと調整している最中です。オペレーションや人員、メニューをちょっと変えようと思っています。

Yakikatasan.jpg ──「居酒屋 心」のこだわりは?

中谷:炉端焼きですね。ハワイでも珍しい囲炉裏端があり、熟練の焼き方さんがていねいに焼き上げます。お店自体が隠れ家的な居酒屋なのですが、囲炉裏席は隠れ家の中の隠れ家、という感じで秘密めいた雰囲気がおもしろいと思いますよ。寿司もいいネタを使っているので、居酒屋でハイレベルな寿司をお楽しみいただけます。

Shin_irori_interior.jpg ──ハワイ在住の日本人の間でも話題の「居酒屋 心」がさらにパワーアップするのが楽しみです。最後に今後の夢を聞かせてください。

中谷:まずはこの事業をハワイで成功させることですが、その次の夢はアメリカ本土へ進出したり、日本へ逆輸入したり、いろいろな場所でビジネスを展開していきたいですね。ホールにはいつまでも立ち続けたいですが、僕がいなくてもお店がちゃんと機能する仕組みができるといいなと思っています。また、この和食店2店舗以外のお弁当屋やアパレルブランドの経営も携わっているので、これらを上手に活用して更なるステップアップができたらと考えています。これからも従業員のみんなと同じ目線で一緒に働き、全員がハッピーで笑顔があふれるような会社作りを目指していきたいですね。ハワイでほっと心が落ち着く食事が恋しくなったら、ぜひ「居酒屋 心」、「心玄」へお越しください。心を込めておもてなしいたします!

──どうもありがとうございました!

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インタビューを終えて

ひとりの経営者として真剣にビジネスを語る中谷さんは、26歳という若さを感じさせないほどの大人っぽい考えの持ち主。「ほかのいろいろな経営者の方から、僕が経験したこともないお話を聞いて勉強したり、お客様やスタッフからも日々学ぶことばかりです」と、若いからこそ不足しがちな経験値を、こうした毎日の地道な努力で補っている姿が印象的でした。今後のご活躍とお店の新しい展開にますます期待が高まります。
「居酒屋 心」と「心玄」の予約はこちらからどうぞ。

中国、日本で金融、ハワイでレストラン経営

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 以前「突撃!ユカリンが行く」のコラムでお邪魔した、ワイキキで28年間愛される本格派中華料理店「チャイナ・ガーデン」。その時にお話を伺ったオーナーのマイケルさんは、.英語も日本語も堪能!さらにフランス語までできちゃうというマルチな語学力にビックリ。その時に小耳にしたハワイでレストランのオーナーになるまでのお話がとても興味深かったので、改めてお話を伺ってきました。

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チャイナ・ガーデン
オーナー:マイケルワン

中国、広東省生まれ。1987年、中国政府管轄の投資会社勤務時に6カ月間日本の野村證券で研修を受ける。中国に戻った後、ハワイ大学大学院でMBA取得。大学院で学ぶ傍らチャイナ・ガーデンでウエイターとして働く。大学院卒業とともにチャイナガーデンのジェネラルマネージャーに就任。その後同レストランの経営に携わる。












==こんにちは!前回お会いした時は、おいしいお料理をありがとうございました。今回は、マイケルさんがご出身の中国からどのような経緯でハワイに来て、そしてレストランオーナーになるまでの経歴をお聞かせいただけますか?

マイケルさん(以下マイケル):私は中国の広東省の東莞市と言うところで育ち、16歳の時に広州にある大学へ進学しました。卒業して、政府管轄の投資会社で働いていた時に、国が推奨する研修で日本に行き、野村證券で半年間働きながらいろいろなことを学ぶ機会をいただきました。

==え?16歳で大学に入学??

マイケル:今は違いますが、当時の中国では小学校が5年、中学が2年、高校が2年で、それが終わると大学に入学できたんです。そして20歳で大学を卒業して、中国の政府管轄の投資会社に就職したのです。

==マイケルさんは日本語が堪能ですが、日本に行く前から問題なくお話とかできたのですか?

マイケル:いえいえ、日本に行くまでは全然日本語がわかりませんでした(笑)。大学では英語を専攻していましたので、英語は話せました。それとフランス語を2年学んでいたのでフランス語もできます。野村證券では、午前中に株式市場や経済、社会などいろいろなことを学ばせていただき、午後は日本語のレッスンがありました。最初は全然わからなかった日本語も半年経った頃には、ほとんど不自由を感じないほどになっていたんです。

==たったの半年でこれほど堪能になるなんて驚きです!研修を終えた後、中国に戻られてその後はどうなさったんですか?

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マイケル:日本語については、半年の間に我々10人に対して先生がふたりでとても熱心に教えてくれました。先生がとても優秀な先生だったんですよ(笑)。日本での研修が終わり、広州に戻って研修に行く前にいた会社で2年ほど働き、勤めていた会社が香港に支社を作ったのを機に香港に転勤しました。香港は刺激的な街で、再び勉強がしたくなってしまったんですね(笑)、会社を辞めてハワイ大学の大学院に入学してMBAの勉強を始めました。そして、当時はたくさんの日本人が観光でハワイに来てたので、日本語が絶対に必要と思い、さらに日本語の勉強も続けました。そんな時にウエイターのアルバイトとして働き始めたのがチャイナ・ガーデンだったのです。

==どうして留学先にハワイを選ばれたのですか?

マイケル:親戚が数人ハワイに住んでいたので、ハワイを選びました。


==その当時のハワイも日本人観光客でにぎわっていたから、日本語が堪能なマイケルさんは大活躍だったのでは?

マイケル:そうですね(笑)。2年して大学院を卒業した時、チャイナ・ガーデンのオーナーに大学で勉強したMBA(経営学修士)と日本語力を見込まれて、ジェネラル・マネージャーのポジションをオファーされたのもあり、そのまま働くことにしたんです。ジェネラル・マネージャーになってから、9.11アメリカ同時多発テロやSARS(2002年に大流行した感染症、新型肺炎)が起こり観光業で成り立っているハワイには大打撃でした。ワイキキにあった中華料理レストランが次々とクローズしていく中、チャイナガーデンはリピーターの方々のおかげで今もこうして営業を続けることができています。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

==ワイキキ内の道路に面した好立地にあるレストランならまだしも、チャイナガーデンは、どちらかと言うと見つけにくい立地のレストランですよね?

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マイケル:ワイキキは規制が厳しくて看板や電飾サインをホテルの外に取り付けられないんですよ。それでも、リピーターさんの紹介や、クチコミ、そしてアロハストリートに掲載している広告を見て探し当ててきてくださるのがうれしいですね。日本のお客様は一度料理を気に入ってくださると、ハワイにお越しになると同じ料理を必ず食べに来てくださるんです。そしてハワイにいらっしゃる友人や知人にも紹介してくださるのです。それほどまでに気に入ってもらえるのは幸せなことですね。

==最後にマイケルさんのおすすめの料理と、アロハストリートの読者にメッセージをお願いします。

マイケル:スタッフは、シェフをはじめ10年以上ここで働いているベテランばかり。いつ来ていただいても同じ味を安心してお召し上がりいただけます。メニューには四川や北京料理もそろえていますが、シーフードを堪能できる広東料理がとくにおすすめです。蟹の塩コショウ炒めや、蒸し海老、エビマヨは一度食べたら虜になること間違いなしですよ。これからもお客様に喜んでいただけるようにおいしい料理と接客でみなさまのお越しをスタッフ一同お待ちしております。

==ありがとうございました!




インタビューを終えて

一緒にいるとこちらまで思わず笑顔になってしまうステキなスマイルのマイケルさん。わずか半年でこんなに流暢な日本語が話せるなんて本当にすごい!リピーターの方は、お料理がおいしいのはもちろんですが、こんなマイケルさんに会いたくて自然にチャイナ・ガーデンに足が向いてしまうのでは?と思ってしまうほど。ワイキキで28年間営業するメニューが豊富な本格派中国料理レストランへあなたもぜひ足を運んでみてくださいね!

ケン先生に聞く「ヨガフェスタ・ハワイ」

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ヨガインストラクター/ケン・ハラクマ

1994年インターナショナルヨガセンター設立以来20年以上にわたり日本のヨガ界を牽引する。様々なヨガの実戦経験を通して、より有意義に楽しく幸せに毎日を過ごす為のヨガ指導がメインテーマ。著書多数。





 5月15日(金)〜17日(日)「ヨガフェスタ・イン・ハワイ」開催。立役者でもあるケン先生が語るヨガとハワイの素敵な関係とは?

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ヨガに最適の環境といえるハワイで一緒に癒され楽しみましょう!


 僕はもう20年以上ヨガに携わっているわけですが、ヨガというのはいわゆるポーズを極めるだけのものではありません。メンタルな部分に深く作用して、自分を見つめなおしてリラックスしたり、哲学的な部分も大事なんです。身体と心が正しく目覚めるための準備運動、それがヨガなんじゃないかと。これまで日本はもちろん、アジアや欧米の様々な国や地域でヨガをやってきました。

pic2.jpg 中でも、ハワイは特別な場所。心地良い気候で美しい海も山もすぐ近くにある、治安も良くてリラックスしやすい。さらに最近ではヘルシーな食へのこだわりも満たされます。ハワイ産の新鮮野菜やフルーツが手軽に手に入り、オーガニックフードも豊富。アサイやピタヤなども人気でしょう?

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 このハワイで、日本で約5万人を動員するヨガの祭典「ヨガ・フェスタ」を楽しんでしまおう!というのが僕たちの思いなんです。「大人の臨海学校〜きれいになろう、癒されよう、楽しもう!」をテーマに、3日間様々なヨガ体験やワークショップを計画しています。
 ヨガ初心者も大歓迎!日本からもハワイ在住の方も、ぜひ気軽に参加してほしいですね。

■ヨガフェスタ2015の詳細はこちら>>

ロック&ポップなウクレレで2年連続ナホクへ

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 2014年、2015年と2年連続で、ナ・ホク・ハノハノ・アワードのインターナショナル部門にノミネートされたアーティスト勝誠二さん。日本を代表するウクレレプレイヤーであり作曲家、講師として幅広く活躍する勝さん。2014年11月にリリースされた5th ソロアルバム「KATZ sings HULA vol.1」について、そして大好きなハワイについてお話をうかがいました。

プロフィール
勝誠二(かつ・せいじ)

元『子供ばんど』ベーシスト。
現在は、日本でトップクラスのウクレレプレイヤーとして活躍。あらゆるジャンルを超越するロックでポップなウクレレは唯一無二。
作曲家としても幅広く活動し、多くのアーティスト、TV、CMに 楽曲を3000曲以上提供している。ウクレレから、ピアノ、ギター、ベース、ブズーキ、津軽三味線を演奏するマルチコンポーザー。
ウクレレ & ヴォーカル・ユニット、elli+katz+nory として書き下ろした「南の島のココナッツ」は『NHK みんなのうた』で2014年8月~9月放送された。
2014年「J」、2015年「KATZ sings HULA vol.1」で、ハワイのグラミー賞と呼ばれるナ・ホク・ハノハノ・アワードのインターナショナル部門に2年連続ノミネートされハワイでも話題に。

●公式サイト:www.katz-seiji.com




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ナ・ホク会場のハワイ・コンベンション・センターで記念撮影!
勝さんの右隣は同じくインターナショナル部門にノミネートされたCo-Halさん。


ーーー2年連続ナ・ホク・ハノハノ・アワードへのノミネート、本当におめでとうございます!

ありがとうございます。とっても光栄に感じています。昨年に続き、またこうやってハワイへ来られたことをとてもうれしく、ありがたく思っています。昨年は初めての体験ということで、とにかく緊張しまくっていたんですが、今年はリラックスして臨めたので思いっ切り楽しませてもらいました。ナ・ホクのパーティは本当にすごいですよね。ハワイを代表するアーティストが大集結するし、いつもなら絶対に見られない大御所同士のコラボステージもたっぷりじゃないですか。しかも豪華な食事付き(笑)。こんな機会はめったにないので、楽しまなくちゃもったいないですよね。

007.jpgーーー確かにその通りですよね。豪華でスペシャルなパーティでした!さて、今回ノミネートされたアルバムは「KATZ sings HULA vol.1」。勝さんが、どっぷりフラソング(ハワイアン)を歌う...って、今まであまりなかった気がしますが。

そうですね。ウクレレ・ピクニックなどに参加して、ハワイのミュージシャンのステージをいろいろ見ていたので、ハワイアンってすごいなあと思っていました。でも、逆にすごすぎて「やっぱりハワイアンは本場の人たちが歌うものだよね。僕はあんなふうには演奏できないし、やっぱりかなわないもんねえ」って思う部分もあって。あえて近づかなかったところもあったわけです。

でもある時、考えすぎなくてもいいんじゃないかって思い始めたんです。そもそも、ロックやポップスを中心にやっていた僕がウクレレを弾き始めてから「演歌だってアニメソングだっていいじゃん。音楽のジャンルレス、バンザイ!」と思って今に至っているわけで、だったら僕なりの解釈のハワイアンもアリなんじゃないかと。それで、せっかくならフラも踊ってもらえるように「フラソング」とテーマを決めてレコーディングしてみたんですよね。踊るための曲ですから、基本的に「長い間奏」とか「テクニックバリバリのウクレレ・ソロ」とかはないし、定番のハワイアンソングが中心。なんですが、できてみると「あれ、ハワイアンなのにハワイアンじゃない!?」っていう仕上がりになってました。友人のアーティストに聴いてもらった時も、第一声が「なんだか、ぜんぜんハワイアンっぽくないですね〜」(笑)。でも、すごくポップで楽しいフラソングになってます。ぜひ多くの人に聴いてもらいし、踊ってもらいたいですね。

005.jpgーーー本当に、楽しくて時々ちょっとうるっとくる、素敵なアルバムですよね!私たちも、何度もリピートして聴いてます。「勝誠二のオリジナル・ハワイアン」、すごく心地いいです。ハワイで聴いても気持ちいい!

ありがとうございます。最近でこそ、ハワイに来る機会が増えましたが、正直、昔ロック・バンドをやっている頃は「え、ハワイ?なんだかなあ...」みたいな部分もあったんですよ(笑)。でも、初めて来て空港に降り立った瞬間に「うわ、なんだ、楽園じゃん!最高〜!」って。それからもう、このパラダイスのとりこです。

ハワイは気候はもちろん、やっぱり人がいいですよね。アロハがいっぱいでいつも笑顔で楽しそうで。音楽や文化にもそれが表れてる。生活の中に音楽が自然に溶け込んでいて、誰でも楽しめます。以前、KONISHIKIさんとパフォーマンスする機会があったんですが、リハーサルしようとしても「あ、どんなキーでもいいよ。どこから始まってもOK。すぐ合わせるから」と言われて驚きました。日本の通常のセッションだったら、まずありえないですよ。真剣に楽譜を見て、いちいち計算して転調して、リズムも合わせて...とかじゃなく、感覚でちゃんと歌ったり演奏したりできちゃう人が、ハワイには多いんだろうなと。そんなすてきな島で育った「ウクレレ」という楽器と出会えて良かったと思っています。

006.jpgーーーハワイでは小学校でウクレレやフラの授業があったりしますからね。先生も平気で歌ったり踊ったりしますし(笑)。ところで最近とくに、日本をはじめ、アジア全域ですごいウクレレブームと言われていますが。

そうですね。若手のウクレレミュージシャンも増えたし、日本全国でウクレレのイベントが行われるようにもなってきました。以前に比べれば認知も高まってきたと思います。でも、日本ではウクレレを持った人がまだメディアにあまり出てきていないというのも感じてます。だから僕らがウクレレを持ってライブやステージに立ち、ジャンルを問わずいろいろな演奏をしていくことで「へー、ウクレレってすごいんですね。かっこいい!楽しい!」って思われるきっかけになったらいいなと。

004.jpgそもそも僕自身がウクレレを始めたのは「ウクレレ・ビートルズ」というアルバムを作るからウクレレ弾いてくれない?というオファーを頂いたのがきっかけ。最初は「遊び」という感覚で普段(ベース)と違う音楽をやってみようと思ったんです。スタートから今に至るまで、いい意味で遊びの気分を持ち続けながらウクレレを弾いている。教則本やDVD、ウクレレスコアなんかも出してるから、もちろんプロとしてちゃんとしているつもりですが、でもその中で「遊ぶ」ことも大事にしてます。ハワイのウクレレ・ピクニックにも登場した「ウクレレ・エルヴィス(下の写真)」だって、超真剣な遊びですよ(笑)。

00000_400.jpgウクレレって、楽器として未完成な部分が魅力だと思ってるんです。未完成というか、ちょっと足りない感じがものすごくちょうどいいと。音域が2オクターブくらいしかなくて、めちゃくちゃ大きな音がでるわけでもなくて、でもだからこそ弾いている人と聴いている人がイマジネーションをふくらませることができる楽器。ベースにもある部分で共通するんですが、音と音との間に自分なりの「聴こえない音」を想像しながら弾ける、そういったバランスがものすごく「ちょうどいい」んですよ。僕はウクレレでバリバリのソロ演奏もするし、歌も歌います。「こうあるべき」という概念や、厳密なジャンル分けが必要ないこの小さな楽器が本当に好きだし、とても奥の深い世界だと感じています。これからも、僕なりの姿勢でウクレレと向き合っていきたいですね。

002.jpgーーーありがとうございました。今後のご活躍をハワイから応援しています。いつか、ハワイでも勝さんのライブが見られる日を楽しみにしていますね!


■インタビューを終えて

やさしい笑顔が印象的な「ウクレレ界のヨン様」こと勝さん。記事に書ききれないほど、楽しくて熱いお話をたくさん聞かせてくださいました。今年のナ・ホクでは、惜しくも受賞とはならなかったのですが、2年連続で日本からノミネートされるというのはとてもすごいこと。そんな快挙を成し遂げているにも関わらず、私たちにも笑顔でていねいに接していただき、人間の器の大きさを感じました。これからも、ハワイからエールを送り続けたいと思います。勝さん、本当にありがとうございました!

ウクレレの神様オータサンが日本ツアーへ!

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 「ウクレレの神様」と呼ばれるレジェンド・ウクレレプレイヤーのハーブ・オオタ氏(オータサン)が、7月上旬ジャパンツアーへ!日本で7月8日にリリースとなる新しいソロアルバム「ランデブー・イン・ハワイ」をひっさげ、日本行きを目前にしたオータサンに、お話をお伺いしました。

002.jpg編集部:オータサン、ご無沙汰しています!もうすぐ夏のジャパン・ツアーですね。

オータサン:7月7日から12日まで。東京、名古屋、金沢、京都、最後の横浜まで5カ所のライブハウスをまわるの。今回は、ひとりで行くのよ。ひとりでどこまでやれるか、試してみたいなと思ってね。

編集部:ひとりっていうのは、演奏がすべてソロということですか?

オータサン:そう、1時間半のライブぜんぶひとりだから、大変。誰も一緒に演奏しないの。いままで何度も日本に行って演奏してるけど、いつもは誰か一緒に演奏したりオーケストラと一緒だったり、カラオケが流れたりしてたから、完全にソロでライブするのは初めてよ。でもひとりだからこそ、自分と会場の雰囲気で演奏の内容も変えられるし、そういうライブは楽しいと思うよ。ただ、途中であんまり休憩しちゃうともう弾きたくなくなっちゃうかもしれないから、休憩しないでずっと演奏したほうがいいかな。倒れちゃったら困るけどね。あははは!

001.jpg編集部:笑い事じゃないですよ〜(苦笑)。倒れないで、ぜひ頑張ってくださいね。日本には美味しい物もいっぱいあるし、楽しみですね。

オータサン:金沢のお魚は本当に美味しいね。今回も楽しみ。でも、僕はそんなにあれこれ食べるわけじゃないし、毎日のようにライブがあるからゆっくりする時間もあんまりないのよ。あはは。

CD300.jpg編集部:今回は新アルバム「ランデブー・イン・ハワイ」のリリースも同時期なんですね。

オータサン:そうそう。マノアのランデブー・スタジオっていうスタジオで録音したのよ。15曲すべてソロ。僕ひとりで全部レコーディングして、全部で2時間くらいで終わったかな。

編集部:え?2時間???

003.jpgオータサン:僕は基本的にそんなに何度もレコーディングしないの。今までに90枚近いアルバムを作ってきたけど、何度も同じ曲を弾いてもフィーリングが違っちゃうし、そのうち機械的になっちゃうから好きじゃないのね。しかも、今回は完全にひとりだから、僕がOKって思ったらOKでしょ。1テイクか2テイクで終わったから。そのかわり、今回はすごくたくさん練習してからスタジオに入ったからね。5曲はこのアルバムのために自分で作った曲。あとはカバーなんだけど、ベートーベンのクラシックからジプシーキング、そしてハワイアンまで幅広い曲を弾いてるの。Ke Kali Nei Au〜Hawaiian Wedding Song〜とKu`u Pua I Paoakalaniは、以前別のアルバムで収録したことがあったけど、それ以外はアルバム用にレコーディングしたのは初めての曲ばかり。ほんとにいっぱい練習したのよ(笑)。ウクレレ一本のアルバム、ツアーでも販売するから楽しみにね。

編集部:一足早く聴かせていただきましたが、とてもカッコ良いアルバムでした。さすが神様、本当にすごいですね!

オータサン:ありがとう。でも、もう僕は81歳なのよ。速い曲はけっこうたいへんですよ。あはははは。日本でも、がんばって弾きますから、ぜひ聴きにきてくださいね。

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■インタビューを終えて
昨年は体調を崩され入院されていたこともあり、久しぶりにお会いした「神様」。以前と変わらずお元気でやさしく、とてもカッコ良いレジェンドでした。7月のジャパン・ツアーに続き、10月にも息子さんのハーブ・オオタ・ジュニアさんとも日本へ行く予定ということで、これからますます精力的な活動が期待されますね。ぜひ、ハワイでも演奏してほしいです、とお伝えしたところ「ハワイではね、誰も僕のウクレレなんて聴きたくないからいいのよ、あははは!」と高らかに笑っていらっしゃいましたが、本当に実現してもらいたいと切に願う私たちです!

ロック&ポップなウクレレで2年連続ナホクへ

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 2014年、2015年と2年連続で、ナ・ホク・ハノハノ・アワードのインターナショナル部門にノミネートされたアーティスト勝誠二さん。日本を代表するウクレレプレイヤーであり作曲家、講師として幅広く活躍する勝さん。2014年11月にリリースされた5th ソロアルバム「KATZ sings HULA vol.1」について、そして大好きなハワイについてお話をうかがいました。

プロフィール
勝誠二(かつ・せいじ)

元『子供ばんど』ベーシスト。
現在は、日本でトップクラスのウクレレプレイヤーとして活躍。あらゆるジャンルを超越するロックでポップなウクレレは唯一無二。
作曲家としても幅広く活動し、多くのアーティスト、TV、CMに 楽曲を3000曲以上提供している。ウクレレから、ピアノ、ギター、ベース、ブズーキ、津軽三味線を演奏するマルチコンポーザー。
ウクレレ & ヴォーカル・ユニット、elli+katz+nory として書き下ろした「南の島のココナッツ」は『NHK みんなのうた』で2014年8月~9月放送された。
2014年「J」、2015年「KATZ sings HULA vol.1」で、ハワイのグラミー賞と呼ばれるナ・ホク・ハノハノ・アワードのインターナショナル部門に2年連続ノミネートされハワイでも話題に。

●公式サイト:www.katz-seiji.com




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ナ・ホク会場のハワイ・コンベンション・センターで記念撮影!
勝さんの右隣は同じくインターナショナル部門にノミネートされたCo-Halさん。


ーーー2年連続ナ・ホク・ハノハノ・アワードへのノミネート、本当におめでとうございます!

ありがとうございます。とっても光栄に感じています。昨年に続き、またこうやってハワイへ来られたことをとてもうれしく、ありがたく思っています。昨年は初めての体験ということで、とにかく緊張しまくっていたんですが、今年はリラックスして臨めたので思いっ切り楽しませてもらいました。ナ・ホクのパーティは本当にすごいですよね。ハワイを代表するアーティストが大集結するし、いつもなら絶対に見られない大御所同士のコラボステージもたっぷりじゃないですか。しかも豪華な食事付き(笑)。こんな機会はめったにないので、楽しまなくちゃもったいないですよね。

007.jpgーーー確かにその通りですよね。豪華でスペシャルなパーティでした!さて、今回ノミネートされたアルバムは「KATZ sings HULA vol.1」。勝さんが、どっぷりフラソング(ハワイアン)を歌う...って、今まであまりなかった気がしますが。

そうですね。ウクレレ・ピクニックなどに参加して、ハワイのミュージシャンのステージをいろいろ見ていたので、ハワイアンってすごいなあと思っていました。でも、逆にすごすぎて「やっぱりハワイアンは本場の人たちが歌うものだよね。僕はあんなふうには演奏できないし、やっぱりかなわないもんねえ」って思う部分もあって。あえて近づかなかったところもあったわけです。

でもある時、考えすぎなくてもいいんじゃないかって思い始めたんです。そもそも、ロックやポップスを中心にやっていた僕がウクレレを弾き始めてから「演歌だってアニメソングだっていいじゃん。音楽のジャンルレス、バンザイ!」と思って今に至っているわけで、だったら僕なりの解釈のハワイアンもアリなんじゃないかと。それで、せっかくならフラも踊ってもらえるように「フラソング」とテーマを決めてレコーディングしてみたんですよね。踊るための曲ですから、基本的に「長い間奏」とか「テクニックバリバリのウクレレ・ソロ」とかはないし、定番のハワイアンソングが中心。なんですが、できてみると「あれ、ハワイアンなのにハワイアンじゃない!?」っていう仕上がりになってました。友人のアーティストに聴いてもらった時も、第一声が「なんだか、ぜんぜんハワイアンっぽくないですね〜」(笑)。でも、すごくポップで楽しいフラソングになってます。ぜひ多くの人に聴いてもらいし、踊ってもらいたいですね。

005.jpgーーー本当に、楽しくて時々ちょっとうるっとくる、素敵なアルバムですよね!私たちも、何度もリピートして聴いてます。「勝誠二のオリジナル・ハワイアン」、すごく心地いいです。ハワイで聴いても気持ちいい!

ありがとうございます。最近でこそ、ハワイに来る機会が増えましたが、正直、昔ロック・バンドをやっている頃は「え、ハワイ?なんだかなあ...」みたいな部分もあったんですよ(笑)。でも、初めて来て空港に降り立った瞬間に「うわ、なんだ、楽園じゃん!最高〜!」って。それからもう、このパラダイスのとりこです。

ハワイは気候はもちろん、やっぱり人がいいですよね。アロハがいっぱいでいつも笑顔で楽しそうで。音楽や文化にもそれが表れてる。生活の中に音楽が自然に溶け込んでいて、誰でも楽しめます。以前、KONISHIKIさんとパフォーマンスする機会があったんですが、リハーサルしようとしても「あ、どんなキーでもいいよ。どこから始まってもOK。すぐ合わせるから」と言われて驚きました。日本の通常のセッションだったら、まずありえないですよ。真剣に楽譜を見て、いちいち計算して転調して、リズムも合わせて...とかじゃなく、感覚でちゃんと歌ったり演奏したりできちゃう人が、ハワイには多いんだろうなと。そんなすてきな島で育った「ウクレレ」という楽器と出会えて良かったと思っています。

006.jpgーーーハワイでは小学校でウクレレやフラの授業があったりしますからね。先生も平気で歌ったり踊ったりしますし(笑)。ところで最近とくに、日本をはじめ、アジア全域ですごいウクレレブームと言われていますが。

そうですね。若手のウクレレミュージシャンも増えたし、日本全国でウクレレのイベントが行われるようにもなってきました。以前に比べれば認知も高まってきたと思います。でも、日本ではウクレレを持った人がまだメディアにあまり出てきていないというのも感じてます。だから僕らがウクレレを持ってライブやステージに立ち、ジャンルを問わずいろいろな演奏をしていくことで「へー、ウクレレってすごいんですね。かっこいい!楽しい!」って思われるきっかけになったらいいなと。

004.jpgそもそも僕自身がウクレレを始めたのは「ウクレレ・ビートルズ」というアルバムを作るからウクレレ弾いてくれない?というオファーを頂いたのがきっかけ。最初は「遊び」という感覚で普段(ベース)と違う音楽をやってみようと思ったんです。スタートから今に至るまで、いい意味で遊びの気分を持ち続けながらウクレレを弾いている。教則本やDVD、ウクレレスコアなんかも出してるから、もちろんプロとしてちゃんとしているつもりですが、でもその中で「遊ぶ」ことも大事にしてます。ハワイのウクレレ・ピクニックにも登場した「ウクレレ・エルヴィス(下の写真)」だって、超真剣な遊びですよ(笑)。

00000_400.jpgウクレレって、楽器として未完成な部分が魅力だと思ってるんです。未完成というか、ちょっと足りない感じがものすごくちょうどいいと。音域が2オクターブくらいしかなくて、めちゃくちゃ大きな音がでるわけでもなくて、でもだからこそ弾いている人と聴いている人がイマジネーションをふくらませることができる楽器。ベースにもある部分で共通するんですが、音と音との間に自分なりの「聴こえない音」を想像しながら弾ける、そういったバランスがものすごく「ちょうどいい」んですよ。僕はウクレレでバリバリのソロ演奏もするし、歌も歌います。「こうあるべき」という概念や、厳密なジャンル分けが必要ないこの小さな楽器が本当に好きだし、とても奥の深い世界だと感じています。これからも、僕なりの姿勢でウクレレと向き合っていきたいですね。

002.jpgーーーありがとうございました。今後のご活躍をハワイから応援しています。いつか、ハワイでも勝さんのライブが見られる日を楽しみにしていますね!


■インタビューを終えて

やさしい笑顔が印象的な「ウクレレ界のヨン様」こと勝さん。記事に書ききれないほど、楽しくて熱いお話をたくさん聞かせてくださいました。今年のナ・ホクでは、惜しくも受賞とはならなかったのですが、2年連続で日本からノミネートされるというのはとてもすごいこと。そんな快挙を成し遂げているにも関わらず、私たちにも笑顔でていねいに接していただき、人間の器の大きさを感じました。これからも、ハワイからエールを送り続けたいと思います。勝さん、本当にありがとうございました!

あの人気レストランの徹底的なこだわりとは

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絶妙なアルデンテパスタをハワイで食べられることで大人気の本格イタリアンレストラン「アランチーノ・イタリアンレストラン」。現在オアフ島に3店舗を展開し、常に進化を遂げているアランチーノ・レストラン・グループのオーナー、稲村一郎氏にインタビューしました。


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ーーーいつもおいしいお料理を楽しませていただき、ありがとうございます。稲村さんがハワイへ移住されたのはいつ頃だったんでしょうか。そのきっかけも教えて頂けますか?

稲村一郎氏(以下、稲村):日本からハワイへ移ってきたのは1987年です。最初は子どもの教育のことを考えて家族での移住を計画しました。この素晴らしい場所でのびのび育ってほしい...と。で、ハワイへ来てからビジネスについて模索し始めました。自分なりに「日本にあってハワイにないもの」が受けるだろうと思ったんです。最初に浮かんだのは、赤坂にあったような超高級な焼き鳥屋さんをハワイでやったらどうかという案。鶏肉の品質にとことんこだわって、漆塗りの食器を使って...。でも、ローカルの人に意見を聞くと「ハワイでは、どんなに高級でも焼き鳥はバーベキューなんだよ。$100もする焼き鳥(バーベキュー)は、誰も食べたがらないだろうね」とバッサリ。なるほど、そうか...と落ち込みましたよ(苦笑)。

ーーー確かに、ビーチや公園、裏庭でバーベキューの文化ですもんね。

稲村:そうなんですよね。そこで次に思いついたのが日本の生ビールでした。当時のハワイには、日本のような生ビールがなくて。アメリカやヨーロッパにもドラフトビールはあるんですが、熱処理したビールをビンに入れる代わりに樽に入れてるだけなんですよね。ならば、と熱処理なしの日本の生ビールを提供するビアバーを始めたんです。ビーチウォークの、今あるアランチーノの隣の場所でした。知人を通じてキリンビールの生ビールを輸入させてもらってね。泡の感じや喉越しがやっぱり違う、これこそ生だよな、とハワイ在住の日本人中心に好評でしたよ。でも、仕事に没頭しているうちに、娘と全然会えない状況になってしまったんです。飲み屋のおやじ(笑)と小学生では、生活時間帯が全く違いますからね。会話もなくなり精神的にも辛くなってしまって。それでテナントにレストランスペースを貸し、自分はビアバーの経営をやめることを決意しました。

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<1998年アランチーノ、オープニングメンバー>

ーーーすごい決断ですね。でもその時の稲村さんには、お子さんとの時間の方が優先順位が高かったということですよね。

稲村:ええ。おかげで娘とのコミュニケーションもうまくいくようになったんですが、そうこうしているうちにテナントのひとつがレストランをたたむということになって、だったらもう一度何か始めようかと。娘もだいぶ大きくなっていて、タイミング的にもいい感じでしたしね。もう一度「日本にあってハワイにないもの」を探して、思い浮かんだのがアルデンテパスタだったんです。茹で過ぎない、絶妙な歯ごたえのパスタがハワイにはない。だったら作ってしまえ!と、1998年に本格的なイタリアンレストランを始めました。それがアランチーノの第一号店です。

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<野菜売りおばさんのパスタ>

ーーーハワイへ移住されて実に10年以上が経ってから、アランチーノの歴史がスタートしたわけですね。

稲村:試行錯誤を経て辿り着いたのが、かえって良かったのかもしれません。それまでなかったアルデンテは、日本人にはとくに好評でしたよ。うれしかったです。ただね、アメリカ人には人気がなくて「このパスタ、生(uncooked)じゃない?」みたいなことを言われたこともありました(苦笑)。でも、徐々にわかってくれる人が増え、さらに日本人からの大きな人気に後押しされて、2003年ワイキキ・ビーチ・マリオット・リゾート&スパに「アランチーノ・ディ・マーレ」を、2013年にはザ・カハラ・ホテル&リゾート内に「アランチーノ・アット・ザ・カハラ」をオープンするまでになりました。ありがたいことです。

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<マリオットホテル店>

現在、うちのマーケットは3つ。日本人旅行者、日本人以外の旅行者(アメリカ本土やヨーロッパから)、そしてローカルです。以前は日本人旅行者をメインにしてきたけれど、もっと多くの人々に楽しんでいただきたい、もっと多くの方に知ってもらいたいという方向に変化してきました。それもあって、地元のイベントに参加したりボランティア活動を積極的に行ったり、学校や病院など公共団体への寄付活動も行っています。地域貢献をしながら多くの人たちと触れ合ううちに、自然に地元のみなさんに評価してもらえるようになってきました。ローカルの料理品評会でも認めてもらうようになり、うちのシェフが活躍できる機会もいろいろ増えてきたんですよね。

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<契約農園にて>

ーーー地道にゆっくり、正しいことを行い続けてきた結果、周囲の皆さんから様々な形で評価されてきたということでしょうか。

稲村:そう思っています。数年前からは、食の安全性にもとことんこだわっていますよ。よく、自分が食べると思って素材選びを...などというけれど、逆に私たちは「お客様に食べてもらって大丈夫か?」という目線で品質管理をしています。他人様に食べてもらうものだからこそ、気を遣わないと。私やシェフ(上の写真は総料理長の濱本シェフです)が実際に契約している畑へ行って、自分の目でクオリティを確かめてもいます。契約している農園、畑はオアフ島とマウイ島に3カ所。きっちりお話して、お互い納得いく野菜を届けてもらうようにしています。BBB消費者保護団体などから表彰していただけたのは、そんな努力が認められたからだと自負しています。

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<マッシュルーム・ピッツァ>

ーーー地産地消、スローフード推奨といった動きは、近年ハワイでとくにさかんですよね。ファーマーズ・マーケットやオーガニック・スーパーなどの人気もすごいですし。

稲村:野菜は鮮度が命だから、新鮮な状態で早く食べるのがいいにきまってます。うちでは魚介やお肉も「カウアイのシュリンプ」「ハワイ島の牛肉」と産地がしっかりわかるものを使用していますよ。逆に良いものは、遠くイタリアからでも時間やコストがかかっても取り寄せる。たとえば小麦やチーズはアメリカで安いものが簡単に手に入るけれど、イタリアからいい素材を仕入れています。値段(品質)を落とそうと思えばいくらでもできるんです。もし素材を安いものに変えても、日本人のお客様はなにも言わないでしょう。でも、言わずにすーっと離れていく。それが怖いんですよね。利益やコストだけを考えるのではなく、お客様に喜んでもらえることを考えるのが一番だと思っています。もちろんコストは上がるけれど、多くのお客様がきて楽しんでくれればそれでいいじゃないですか。もちろん、ほかと比べて「ピザがどうしてこんなに高いんだ」と言われることもあります(苦笑)。それは仕方ないけれど、うちのピザは端っこまで美味しいですよ。それがこだわりなんです。

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<カハラホテル店>

ーーーハワイ全体のレストラン事情もだんだん良くなってきていると言われています。アランチーノはそのさきがけ的存在ですよね。

稲村:ありがとうございます。努力している分、認めてもらえるのはやっぱりうれしいです。でも価値観はいろいろだから、違う考え方をされるお客様も大切にしたいと考えています。たとえばお客様に「アルデンテが気に入らない、uncookedだ!」と言われたら、柔らかく茹で直してお出しする。「本場イタリアではこれがアルデンテというもので...」なんてレクチャーしたりしません。せっかく縁あってアランチーノへ来てくださったのだから、みなさんに喜んでもらいたい。間違いなんてないんです。ただ、うちはこういうスタイルでやってるというだけ。そういうことなんですよね。

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<モロカイ島の甘海老とハワイ島のアワビのマリアージュ>

新しいメニューも随時考えていますよ。その際は「試食委員会」を開いて試食します。スタッフはもちろん、外部ゲストを呼ぶこともありますね。何度も試食を繰り返し、みんながOKと思ったものがやっと商品化されます。しかしここからが問題。全員が認めた味を、シェフたちが同じように作り続けられるかも大事なんですよ。誰がどうやって作っているか、最初のレシピと間違いがないかを確認し「保つ」ことを心がけています。新しいことを生み出すのはもちろんですが、維持するのがたいへん。いい加減なものは、うちのレストランでは出せませんから。お客様に満足してもらうため、妥協はしません。

ーーー徹底的にお客様の立場にたって、品質とサービスを保つ。その真摯な姿勢が今のアランチーノ・グループの人気につながっているんですね。

稲村:まだ道半ばではありますが、これからも会社の利益や効率だけにとらわれず、お客様、そして社会全体や公共にとっての利益を考えて実行していきます。それによって利益の一部が最後には自分たちに戻ってくると信じていますから。実際、それがいろいろな形で評価していただけるようになり、本当にありがたいですね。そもそも、味もサービスも、これで100点満点なんてことはありません。これからも、地道に頑張っていきます。

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